表〃裏〃一〃体２

crime#7 ページ30

「もっと努力しなさいっ！」




テストの点が前より落ちて、オカンが激怒してる。




もっと努力っていうけど、ちゃんと真面目に学校も塾も通ってるし、課題も全部出してる…。




部活も入らずに塾通いの僕と違って、兄ちゃんは部活も熱心にしてるのに。




頭の良さが根本的に違うねん、兄ちゃんとは。




「ごめんなさい…。」




「お父さんの顔に泥を塗るつもりなんっ！？」




直後、乾いた音がして頬に痛みが走った。




平手打ちをくらっても、じっと耐える僕。




いつものことやから、我慢我慢。




そう思うのに、勝手に涙が浮かんでしまう。




「ただいま〜。」




「あ、章大や、おかえり^^」




オカンは何もなかった顔で兄ちゃんに駆け寄った。



「兄ちゃんおかえり、」




「ただいま。あれ、ほっぺた赤いよ、大丈夫？」




兄ちゃんは優しい。




オカンやオトンが僕のことを悪く言っても、絶対庇ってくれる。




「なんもない。宿題してくる！」




でもどっかで、僕のこと見下してんねやろ？




自分よりできの悪い弟が可哀想やから、優しくてしてんねろ？




ただの妬みかもしれへんけど、




兄ちゃんと話すとしんどいから、部屋に逃げた。

crime#7→←crime#7【失敗作】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す