表〃裏〃一〃体２

crime#6 ページ22

「…っ…！！」



衝撃すぎて言葉を失った。




「…もう僕だけのものやで。」




「…っ、嫌…嘘や……こんなん、嘘やっ…」




バチッッ！！




一瞬何が起きたか分からんかった。




俺は床に倒れてて、




頬がヒリヒリ痛くて。




「…アイツの為に泣くなんて、許さんから。」




言われて、自分の目尻から涙が溢れてたことに気づく。




バチッッ




章大の手がまた、振るわれた。




「僕だけ見てっ！！僕だけ！！」




狂ったようにそう叫びながら、俺を殴る章大。



いや、狂ってる。



いつから狂ってたんやろ。




俺が気づいてなかっただけで、




章大は俺を遊び相手として見てなかったんや。




ずっと前から、俺に会う度に




こんな欲望を胸に渦巻かせてたんかもしれへん。




俺は章大の気持ちを踏みにじってた。




俺にとっての章大は、欲を発散するための相手。




嫁も忙しい人で、強要できひんかったから。



初めてそういう店で会った時は、めっちゃ可愛いと思ったしタイプやった。




でもそれは恋というより、ペット選びみたいな感覚で。




しかも男。会ってるのがバレたところで友達って言えば問題ない。




都合が良かった。




確かに章大のことは好きやけど、




章大の気持ちは重すぎる。




「しょ、たっ…ｺﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｯ…。」




起き上がれなくなるまで、章大は手を止めなかった。

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