課外授業【緑橙】

#40 ページ41

side大倉




｢…大倉、大丈夫や。先生がどうにかしたるからな…？｣




丸山先生が笑いかけて、僕の頭をポンポンと撫でた。




身体が勝手に反応して、ビクついてしまう自分がめちゃくちゃ恥ずかしくて嫌になる。




先生の手、めっちゃ大きくてあったかい。




…こんなオトンが居ったらな。




一瞬、そう考えてしまった。




でもきっと先生に子供がいたら、僕みたいな気持ち悪い嫌われ者じゃなくて、




明るくて元気で、人気者やと思う。




｢…荷物持って。大倉の新しい家探しに行こうな。｣




車に乗せてもらって、連れられた場所には




【西区児童養護施設 未来園】って書いてあった。




｢…お前誰？｣




門のところに立ってると、中にいた少し年上の男子と目が合った。




｢……。｣




｢無視か。感じ悪いな。｣




僕はそのつもりはなかってんけど





話しかけられたことに緊張してたらそう言われた。




｢……。｣




同い年くらいの人と話す時、上手く言葉が出てこない。




だから黙っちゃう。




皆、僕と違い過ぎてるから何言うたらいいか分からんくて。




保育園も行ってなかったから、オカンと圭太さん以外の人と喋ったのは小学生になってからやし。




そっと、先生の後ろに隠れた。

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