課外授業【緑橙】

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大倉は上履きのまま校庭に飛び出す。




子供の足やから、追いついて腕を掴んだ。




｢離してっ…！！｣



「逃げんでいい。怒らんから。」




そう言うとようやく大人しくなる。




よく見ると、上履きはサイズが合ってなくて小さくて




かかとを踏んで無理やり履いてる。




丁寧に洗ってるみたいやけど、これ、買い換えてない……？




「いったん座ろっか。」




近くにあったベンチに座らせる。




「大倉くんは、好きなものある？」




的外れな質問に、大倉は少し驚いたをし、




「……ない。」




と答えた。




本題を話してもちゃんと話すようには思えへん。




まずはスキンシップからやんな。




「好きな食べ物とかは？」




「……別に食べれたらなんでもいい。」




ギュッと、ズボンの裾を握った。



あ〜、嘘ついた証拠。



「そんなん言わずに、あるやろ？これめっちゃ美味いやん、って思った食べ物。」




しばらく沈黙が続いた。




「……先生に言う意味ないやん。」




「ええからええから。」




「………おかん、の…。」




「おかんの料理？」




そこまで言うとまた黙ってしまったから、




「よく言えました。」




頭を撫でた。




というか撫でようとした。




「っ……、」




俺の手は大倉の手に、パシン、と叩き落とされた。

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