課外授業【緑橙】

#38 ページ39

side大倉




｢…ん……。｣



目が覚めたら朝やった。




見慣れない天井に思わず飛び起きる。




寝ぼけた頭で思考を巡らせて。



そうや…僕、先生の家に行ってて…途中で寝たんやったっけ…？




飛び起きたせいでうるさくなってしまった心臓を押え、安堵のため息をついた。




｢起きた？おはよう^^｣




丸山先生が顔を覗かせた。




学校以外の、しかもこんな生活感ある場所で顔を見るのがなんか変な感じ…。




先生も学校を出たら、普通やねんな。




当たり前やけど。




｢……。｣




おはようなんて言われたことないから、思わず固まってしまった。




｢実家にあった弟の昔の服着せたんやけどよかった？｣




言われてみると、確かに知らないパジャマを着てる。




ってことは、体、見られてもうたってこと…？




丸山先生はどう思ったかな？




気持ち悪いって思ったやろうな…。




顔の曇る僕をよそに、先生は笑顔で手招きしてくる。




｢朝ごはん出来てるで。｣




椅子に座ると、味噌汁とごはんが置かれてた。




｢どうぞ。｣




丸山先生がにっこり笑ってくる。




なんか、朝ごはんみたい。




って正真正銘朝ごはんなんやけど、そういうことやなくて




僕がイメージしてた“普通の家の朝ごはんまんまやった。

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