課外授業【緑橙】

#27 ページ28

圭太さんが僕を抱え上げる。




連れられたのは、キッチンでも洗面台でもなくて




お風呂だった。




｢…好きなだけ飲めよ。｣




体が宙に浮いた。




と思ったら、浴槽にザバーンと大きな水しぶきを上げながら投げ込まれた。




いきなりのことで心の準備も出来てなくて、




水を飲み込んでしまって。




｢っｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…！！はぁっはぁっ…｣




｢何してんねん。もっと飲めよっ！！｣




圭太さんが僕の首根っこを掴んで、僕を浴槽に沈めた。




｢ｺﾞﾎﾟｺﾞﾎﾟ…！！｣




驚いて空気を大量に吐き出す。




苦しくて顔を上げようとしたら




…びくともしなかった。




｢ｺﾎﾟ、ｺﾎﾟ…。｣





(苦しいっ…苦しい苦しいっ…。)




懸命にもがく。




｢…っｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞｯ…ｺﾞﾎﾞｯｺﾞﾎﾞｯ…｣




引き上げられてむせ返る僕を見て、圭太さんは笑った。




(悪魔や…この人、おかしいっ…)




｢ゴホッ、はぁ、はぁっ…はぁ、っっ！！…ｺﾎﾟ…っ…。｣




息を整える間もなく、また僕は水中に沈む。




何度も繰り返されてくうちに、自分が水の中にいるのか、顔を上げてるのか分からなくなってきて。




早く意識が飛んで…と、願う僕がいた





気絶しないと、




気絶するまで




この地獄は続くから…。

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