課外授業【緑橙】

#24 ページ25

それでもやっぱり、何もしないではいられなかった。




学校が終わると、気づいたら足が大倉の家に向かっていて。




今日は土砂降りの大雨。




投げられてたシューズがなくなっていた。




代わりに、黒いゴミ袋が捨てられていた。




なんやろ、中身…




気になって、じっと見ていたら




カサ、と小さく動いた。




｢え…？｣




風で吹かれて音がしただけかもしれへんけど




嫌な予感が胸を支配する。




近寄って、そっと触れてみた。




…あったかい。それに、柔らかい…




急いで、ガムテープでとめられてる袋を開ける。




｢……っ！！｣




中に入ってたのは、




紛れもなく大倉。




｢…ﾊｧ………ﾊｧ………っ…。｣




酷く汗をかいて、意識が朦朧としてる。




袋から出し、抱えると




うっすら目を開けた。




｢…せん、せ……。｣




｢大倉っ、大丈夫か…！？｣




どれくらいの間、この中にいたんやろ…




酸欠と脱水症状になってる。




持ってた水筒のお茶を飲ませ、背中をさすると少し表情が緩んだ。




｢……ぁ、｣




大倉の視線が俺の後方に向けられる。




視線を追って俺も振り返ると、




大倉のお母さんが、驚いた顔で立っていた。

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