課外授業【緑橙】

#17 ページ17

｢ここか…。｣




放課後になり、すぐさま大倉の家に向かう。




この間は家まで来なかったから、初めて見たけど、




古めで平屋の一軒家や。




家の周りにはごちゃごちゃと色んな物が置かれてる。




呼び鈴を鳴らした。




｢……留守かな。｣




根気強く何度も鳴らして待っていると、ふと隣の家との隙間に目がいった。




｢あれは…。｣




落ちていた。




…真っ白な新品の上履きシューズ。




投げられたみたいに２足はバラバラで、土が付いてもうてる。




拾いにその隙間に入ると、窓があって。




｢…っ大倉！｣




大倉がそこから外を覗いていた。




驚いて目を見開いている。




声は聞こえへんけど、口が動いた。




何か伝えようとしてる。




…分からない。




｢大倉、その顔どうし…｣




親に呼ばれたのか、後ろを振り返ると一瞬顔を強ばらせ、急いで奥へ走っていってしまった。




俺は慌てて玄関へ戻り叫ぶ。




｢大倉さんっ！開けてくださいっっ！居るんでしょっ？？｣




引き下がるわけにはいかなかった。




｢大倉っ、出てきてっ！！｣




大倉の顔には




目元に大きな痣が出来ていたから。

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