課外授業【緑橙】

#13 ページ13

｢おい、大倉は？｣




しばらく経って、夏本番、




プールの授業が始まった。




すると、ここんとこ目立った問題行動のなかった大倉がまた…。




｢また抜け出しよったわ。｣




村上先生がため息を漏らす。




大倉は、プールの前になると、忽然と姿を消す。



去年もそうやったらしく、見張りの先生をつけて逃がさないようにしたけど、




そもそも水着を絶対持ってこないから授業を受けられへん。




｢親呼び出したくても、親も来うへんし…はぁ…。｣




結局一度も大倉はプールの授業を受けたことがないらしい。




そんなにプールを嫌がる理由も分からへん。




水が怖いんかもしれへんけど、それを確かめようにも確かめられへんから。




｢困ったもんやなぁ…。｣




お手上げ状態の村上先生が俺を見る。




｢丸山先生は、よう大倉に目をかけてるやんな。…どうにかしてほしいねんけど…(笑)｣




｢…僕なりに、頑張ってはみます。｣

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