百五十五話 見知らぬ客人 ページ8
ラ「僕たちもついてきちゃって、良かったのかな...」
『いいの。ちょっと不安だし...』
茶色の木製のドアを開けると、帽子屋の店内に繋がっている。
色とりどりの帽子が飾られているその部屋に置かれた深緑色のソファに、
客人は腰を下ろしていた。
二人の客人。彼らの顔を見た瞬間、突然、頭痛とめまいが私を襲った。
ふらつく私を、トムがそっと支える。
ト「大丈夫か？」
『う、うん』
記憶がほんの一瞬蘇った気がした。
なんとなく見覚えがあるその顔に、戸惑いを覚える。
真っ白な長いひげを蓄えた、優しそうな老人と、
もう一人は、まるで生き写しというほどロイによく似た青年だ。
「突然すまんのう、エマ。わしらは、君を迎えに来たのじゃ」
老人が落ち着いた声色で言った。
『私を、迎えに...？貴方達、一体誰なんですか』
私のその言葉に、二人とも目を見開く。
「やはりのう...もう少し早ければよかったのじゃが...
おっと、自己紹介が遅れてしもうた。わしはアルバス・ダンブルドアじゃ。
ホグワーツで校長をしておる」
「俺はギャリー・グレーパー。君の親友」
親友とかなんとか、見知らぬ人に言われたって、頭が混乱するだけだ。
『あの、ホグワーツって？』
ダ「魔法学校じゃよ。君達のような魔法使いが通っておる」
ギャ「...エマ、俺達と一緒に戻ろう？君はここにいるべき人間じゃない」
『な、何言って―――――』
ジャ「おい、さっきから黙って聞いてれば、エマは記憶を失ってるのに、
突然来て突然一緒に戻ろうだのなんだの、おかしいんじゃないのか？」
見知らぬ二人の言葉に、ジャックが声を荒げる。
ロ「エマは僕らの親友なんだ。勝手に連れて行かれちゃ困るな」
ダ「...すまんのう。わしらがちと急ぎすぎたのじゃ。
エマはもともと、わしのいるホグワーツで学んでおった。記憶を失う前はのう。
ホグワーツにいる君の親友が、君を心配して待っておるのじゃよ」
ダンブルドアが私を諭すように、優しく言った。
記憶の断片が、私の頭に一瞬一瞬蘇る。しかし、ますますわけがわからなくなる。
ダ「エマ、戻ってきてはもらえんかのう？」
そう言うダンブルドアの瞳には、なぜか悲しみの色が浮かんでいた。
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花吹雪 - 最初「蛇の呪いの目」を読んだんですけど、まさかこれに繋がってるとは…… (2018年2月25日 22時) (
レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
masyu - 一気読みしました......凄く切ない......素敵なお話でした！今から次のお話も読ませていただきます！応援してます！ (2018年1月7日 20時) (レス) id: 065dd9adad (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - とても面白かったです！とても幸せそうだけれどほんとは悲しい物語で最後泣いちゃいました(´；ω；｀) (2017年12月23日 7時) (レス) id: c37e0e7b77 (このIDを非表示/違反報告)
暖（受験生）(プロフ) - おぉー！一気に読んでしまいました！とても面白かったです^^完結おめでとうございます！面白かったです^^ (2016年12月27日 2時) (レス) id: 1ca1a708f4 (このIDを非表示/違反報告)
漆 かよ(プロフ) - 素晴らしいお話でした！長くなってしまい申し訳ありません。こんなに感動したのは初めてで、言葉にしきれません…。短編集も閲覧させて頂いたのですが、もう素晴らしいしか言えません！！長文失礼しました。オチはフレッドに一票でお願いします(*´∀`) (2016年12月21日 0時) (レス) id: c34cbcce1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年4月19日 0時
