百六十六話 最後の時 ページ19
＜グリフィンドール、優勝です―――――！！！＞
生徒が一斉に観客席から立ち上がり、爆音のように歓声が響く。
私は手を振りながら、優雅に着地した。
あぁ、勝ったのだ。
涙が出るほど嬉しい勝利とともに、私は迫る卒業の寂しさを感じていた。
＊
ダ「今年も素晴らしい年じゃったのう」
ダンブルドアが晴れ晴れしい笑顔で話しだした。
ダ「――――さて、皆ももうわかっとるじゃろうが、今年の寮対抗クィディッチ杯の
優勝を決めねばならんのう。今年はどの寮もよく頑張っておった。
今年の優勝は...グリフィンドールじゃ！
おめでとう、諸君！」
私達の寮の生徒は一斉に立ち上がり、帽子を宙に投げる。
七年生には感極まって、涙を流す生徒もいた。
ダ「よくやった。では、待ちに待ったご馳走の時間にしようかの」
ダンブルドアはそう言うとにっこり笑って、手を叩いた。
たちまち、テーブルの上に所狭しと料理の皿が並ぶ。
シ「やったな！...ってエマ、お前なんで泣いてるんだよ？」
シリウスが驚いた声で言った。
『だ、だって...もう今日で卒業だって思うと、悲しくてっ...』
ギャ「大げさだな。会えなくなるわけじゃないんだぞ？」
『わかってるけどっ』
リ「やめてよ。私まで悲しくなっちゃうわ」
ジェ「エマ、リリーを泣かすなよ」
ピ「ほら、笑って？ご飯が美味しくなくなっちゃうよ」
『うん』と言いながらも、涙でぐしゃぐしゃの顔でにっこりと微笑んで見せた。
リー「エマは笑顔が似合うね」
せっかくのご馳走は、涙の味がした。
＊
ホグワーツ特急がキングズクロス駅に停止した。
『レギュ！』
遠くにレギュラスの姿を見つけ、走って行って思い切り抱き着く。
レ「...エマ。卒業おめでとうございます」
『ありがとう。レギュも一緒に卒業できたら良かったのに...』
レ「そんな悲しい顔しないでください。そう言う僕も寂しいんですけど...」
『こっそり、遊びに来るね』
レ「待ってます」
レギュラスに別れを告げると、私はセブルスのもとへ駆け出した。
セ「エマ。目が真っ赤だぞ」
『あぁ...色々あってね』
セブルスが困ったように笑う。「涙脆いんだな」と。
でも、卒業は悲しいんだから仕方がない。
『またすぐ会えるよね？』
セ「会いに行こう」
『うん、約束してね？』
次はいつ会えるのかと胸を躍らせながらも、寂しくてセブルスをぎゅっと抱きしめた。
『またね』
セ「すぐ会えるよ」
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花吹雪 - 最初「蛇の呪いの目」を読んだんですけど、まさかこれに繋がってるとは…… (2018年2月25日 22時) (
レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
masyu - 一気読みしました......凄く切ない......素敵なお話でした！今から次のお話も読ませていただきます！応援してます！ (2018年1月7日 20時) (レス) id: 065dd9adad (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - とても面白かったです！とても幸せそうだけれどほんとは悲しい物語で最後泣いちゃいました(´；ω；｀) (2017年12月23日 7時) (レス) id: c37e0e7b77 (このIDを非表示/違反報告)
暖（受験生）(プロフ) - おぉー！一気に読んでしまいました！とても面白かったです^^完結おめでとうございます！面白かったです^^ (2016年12月27日 2時) (レス) id: 1ca1a708f4 (このIDを非表示/違反報告)
漆 かよ(プロフ) - 素晴らしいお話でした！長くなってしまい申し訳ありません。こんなに感動したのは初めてで、言葉にしきれません…。短編集も閲覧させて頂いたのですが、もう素晴らしいしか言えません！！長文失礼しました。オチはフレッドに一票でお願いします(*´∀`) (2016年12月21日 0時) (レス) id: c34cbcce1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年4月19日 0時
