三十七話 複雑な兄弟 ページ37
そういえば、シリウスに気に留めるなと言われていることがあった。
「兄上が、お世話になっているようで」
そう、シリウスの弟、レギュラスが、ホグワーツに入学したのだ。
『ううん。私の方がお世話になっちゃってるよ。レギュラスだよね？』
レ「はい。これからも兄上をよろしくお願いします、先輩」
『エマでいいよ』
レギュラスは、スリザリンに入寮した。
でも、とても気のいい少年に思えた。
『なんでスリザリンに入ったの？』
レ「ブラック家は、代々スリザリンでした。兄上を除いて、ですが。
僕は幼い頃から、兄上のようにはなるなと、教え込まれてきました」
『そう、なんだ...でも、シリウスは―――』
レ「わかってます。僕は、兄上を悪い人だと思ったこともないし、嫌いでもありません。
ただ、兄上が、母上に従う僕を気に入らないようですが。
母上は純血主義者ですから、それに反抗的な兄上はいつも軽蔑されていました。
だから、兄上が母上や僕を嫌うのに無理はありません」
この会話だけで、レギュラスがどれだけできた少年かわかるだろう。
兄のことを想い、母親に忠実だ。
私はすぐにレギュラスが好きになった。
シ「レギュラス！！」
レ「...兄上」
シ「俺の親友に寄るな。あっち行ってろ」
『シリウス！そんなに言わなくても――――』
レ「いいんですよ。すみません、兄上」
レギュラスは私に頭を下げ、教科書を抱えて遠ざかっていった。
突然、シリウスが私の腕を強く掴んで歩きだした。
シ「あいつに構うなって言ったろ」
シリウスがすごく冷たい表情をしている。
シリウスが腕を強く掴むので、ひりひり痛んだ。
『シリウス、痛いよ』
「っ...！ご、ごめん！」
我に返ったように、シリウスが振り返り、ばっと腕を離した。
私は、もう一度優しく、シリウスの手を握りなおす。
『どうしてそんな事言うの？』
シ「....」
シリウスがレギュラスを嫌う気持ちもわかる。
レギュラスの話し方からして、シリウスは母親に軽蔑されていたのに対し、
レギュラスはずいぶん良くしてもらっていたんだろう。
『レギュラスが、あなたに何したっていうの？』
シリウスの顔があまりに暗いので、私は話を中断した。
この兄弟は、ずいぶん複雑らしい。
『ごめん、シリウス』
シリウスは、何も言わずに私の手を、きゅっと、少し強く握った。
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こん(プロフ) - ルーモスさん» 大変申し訳ありません！いえいえ！全然そんなことないです！ありがとうございます。お楽しみいただけて幸いです！ (2015年8月21日 12時) (
レス) id: 813c3ea4d2 (このIDを非表示/違反報告)
ルーモス - いえいえ！私の携帯がおかしいのかと思ってしまって…。気掛かりな事言ってすみません！お話とてもおもしろいですっ！続き楽しみに待ってますね！ (2015年8月20日 20時) (レス) id: 18d5c3985a (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - ルーモスさん» 申し訳ありません。当小説は、作者の希望により名前変換に対応しておりません。ご了承ください。 (2015年8月20日 17時) (レス) id: a4ba4bd797 (このIDを非表示/違反報告)
ルーモス - 名前変換できない… (2015年8月20日 16時) (レス) id: 18d5c3985a (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 陽菜さん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります！ (2015年8月6日 21時) (レス) id: c140e15251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2015年7月26日 1時
