. ページ33
一番奥の扉を開けた先、そこは屋外になっていた。
雲を薄暗く照らす満月が満の鬼を照らしていた。
でもその姿は醜いものだ。
「かわいそうに…自分で作った呪いの歌があなたをそんな姿にしてしまうなんてね。
あなた、もう人間を繕えていない。
目は真っ赤になって、牙と爪は剥き出し、おまけに背中から生えているのは何?
そんな醜い翼で空でも飛ぼうとしているの?」
「口の利き方に気をつけた方がいいぞ…。
そうでないと私はお前をボロボロにしてやらないといけなくなる…
なあ!温崎冷A!!」
「ッ!」
あまりに一瞬すぎて、一歩でも遅ければ私はあの醜い翼が伸びる攻撃を交わせなかった。
攻撃が掠った頬から流れる血を手で拭う。
「なんなのよ…飛ぶ用じゃないわけ?」
それにしても変わり果てた姿は気色が悪い。
それがあなたの望んだ美しさなの?
攻撃の殺傷力が高いのは今のでわかった。
でも呪いの歌が効いているのかまだ苦しそうに顔を歪めて胸を押さえている。
「苦しいの?大丈夫。
私がすぐにあなたを地獄に送ってあげるから。」
ギュッと刀を握り直す。
足を開いてグッと力を込める。
この前、冨岡さんが持ってきてくれた"氷の呼吸の書"。
色んなことが書かれてあったけど、なによりも私が目を引いたもの。
「お前をここで倒す!!!」
"氷の呼吸 零ノ型 絶対零度 "
「ぐっ…!」
「馬鹿め。その技は使う者にとって極めて高度であり体力を奪われる技だろう?!
それを使えばお前は動けなくなる!!
そしてお前の呼吸で一番強いのかもしれんが私には効かんぞ!!!」
「……ぐっ…!
まだまだ!!!!」
"氷の呼吸 零ノ型 絶対零度"
「大幅に削られた体力と筋力でも、残った体力と筋力であなたに何度だって立ち向かう!
いや、残ってなくたって私はあなたを斬るまでやめない!」
"氷の呼吸 零ノ型 絶対零度"
「お前はそれしか使う脳がないのか。
期待外れだよまったく。」
いつのまにか満の鬼の顔色はさっきと比べてよくなっていて、動きも機敏になってる。
正直しんどい。
三回も零ノ型を使ってやつの"弱点"を狙えるほど機敏に動けない。
でも…!
"氷の呼吸 零ノ型 絶対零度"
ザンッ
「……腕が、切れた、だと?」
「はあっはあっ…。
氷の呼吸の書にはこう書いてあった。
『零ノ型を使いこなしたとき新たな型が生まれる』。」
308人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななみ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» ありがとうございます…(泣)ですよね…やっぱりちょっと酷な終わり方だと自分でも思いました…。やはり煉獄さんとちゃんと幸せになれる話を作らないとダメですよね?!うん!!私もそう思います!!これ以上持ちませんよね…笑 ご意見本当にありがとうございます!!! (2021年1月3日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 間違えました、次作です (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - あと自作の話なんですが…私はまた煉獄さんの話が良いです!今度は甘い感じのがいいです…いやほんとにこれ以上やったら死ぬ← (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ちょっと待ってください??私のおめめが大変な事になっているんですが…← いやほんとめっちゃ感動しました!!つらいです( ;∀;)でも面白かったです!完結おめでとうございます! (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はりはりさん» ありがとうございます!!!!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2020年11月14日 18時