時間を操れたらいいのに ページ2
「久しぶり。
お母さん、お兄ちゃん、
…お父さん。」
お花をたくさん買って、久々のこの地に足を踏み入れる。
今までは、ここに来ると悲しいことが全部蘇ってきそうで怖かった。
そして私がここに来る資格がないって思い込んで、来るのを躊躇ってた。
……今だってすこし怖い。
私をみんなが庇ったせいで死んでいったんだから。
でも、だからこそ私が生きなくちゃって。
煉獄さんがそう思わせてくれたから。
しゃがんでから、そっとお花を置いて、お線香を立てて手を合わせる。
…うん。大丈夫だ。
私は、ちゃんと大丈夫。
「お母さん、お兄ちゃん、お父さん。
私は私がやるべきことを果たしてくるよ。
もしかしたら私のことを憎んでるかもしれない。
だけど、それでも…私が生かされた限り、みんなの分まで頑張るから。
だから、最後まで見ててね。」
うん。これでいい。
私は立ち上がる。
振り返らずに真っ直ぐ、もと来た道を歩く。
もう、ここに来ることは無いと思う。
だから、次に会うのはそっちの世界に行った時だね。
"___僕達はずっと見守っているよ。"
そう、聞こえた気がした。
______________________________
「あら、随分と遅かったですね。」
「ごめんなさい…ちょっと寄り道してました。」
予定の時刻より少々遅れて着いたにも関わらず、怒るそぶりを見せないしのぶさんが神に見える。
「大丈夫ですよ。私も今手が空いたところでしたので。」
「本当に神なんですね。」
「神…?」
不思議そうに首を傾げるしのぶさんの前の椅子に座る。
今日は、怪我じゃなくて、大事な用事で来たんだ。
「それで、本題はなんですか?」
「しのぶさんが昨日話さなければいけないことがあるって言ってたから、何だろうと思って。」
「ああ、そのことでしたか。」
しのぶさんは「少し待っていてください。」と言って少し部屋を後にした後戻ってきた手には一つの書物が握られていた。
凄く表紙も汚れていて、ボロボロみたいだけど…。
「この歌集です。」
「歌集?」
歌集って、たくさんの歌が載っている本みたいなものだよね?
しのぶさんが話したいことと何か関係があるの?
「Aさん。満の鬼の名前をご存知ですか?」
「満の鬼の名前…?
あ!そういえば言ってた!絶対に忘れないって言ったのに!えーーっと、何だったっけ…」
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ななみ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» ありがとうございます…(泣)ですよね…やっぱりちょっと酷な終わり方だと自分でも思いました…。やはり煉獄さんとちゃんと幸せになれる話を作らないとダメですよね?!うん!!私もそう思います!!これ以上持ちませんよね…笑 ご意見本当にありがとうございます!!! (2021年1月3日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 間違えました、次作です (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - あと自作の話なんですが…私はまた煉獄さんの話が良いです!今度は甘い感じのがいいです…いやほんとにこれ以上やったら死ぬ← (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ちょっと待ってください??私のおめめが大変な事になっているんですが…← いやほんとめっちゃ感動しました!!つらいです( ;∀;)でも面白かったです!完結おめでとうございます! (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はりはりさん» ありがとうございます!!!!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2020年11月14日 18時