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34話 ページ35

「冷静になれ。
話はまだ終わってねぇんだよ。」



その言葉で俺の力が緩んだ隙に、伏黒は自身の胸ぐらから俺の手を離すと、罰が悪そうな顔をした。



あ…コイツ、ちゃんと反省してんだな、多分。




今までの言動を振り返って、ようやく冷静になってきた。



…でも許せねぇ。






「俺が悪い。
でもその女に心変わりしたわけじゃねぇ。」



「俺も、伏黒が浮気するやつだとは思わん。」



「人間、どういう状況が1番選択肢を削られるわかるか?



大事な人間を人質に取られたときだ。」





………なぁ、待て。


俺は単純だから、複数の答えなんて導き出せねぇけど、俺の考えが間違ってないなら……






「俺はその女に、Aの運命を握られてた。」


「ッ…?!」


「……俺はあの時、どうすればいいのかわからなかった。
だからアイツに従ったのに、結局はAとすれ違うだけだった…。」




俺が何か言う前に、更に伏黒が続けるから、もう何も言えなくなった。



その顔には後悔の念が募りに募っているのがわかった。





「…でも、やっぱり俺にも罪はあるんだ。
アイツにちゃんと、謝りたい。」



「そっ……か。」




Aなら許してくれる、なんて思ったけどそんな言葉で勇気づけちゃうなら、言いたくなかった。




伏黒に何があったか、それを踏まえた上で伏黒が今でもAのこと好きって言ったら、Aは許すと思ったから。



だって、Aはすげぇ優しい。















「……"友達として"好き、かぁ。」




伏黒と別れて、暗い夜道を一人で歩きながらさっきの会話、そしてAとの会話を思い出して俺は考えていた。




Aはきっと、俺のことを"男"としては見てくれていない。



どれだけ俺の体が勝手にAを抱きしめても、あの小さい体に触れても、Aが俺を意識してんならもっと違うはずなんだ。




伏黒がもし同じことをAにしたら…





そう思うと、さ……





「……あれ、俺って何なんだろ。」













「あの…もしかして、あなた虎杖悠仁くん?」





ビクッ




こんな真夜中に話しかけるなんて誰だよ、怖かった…!



この場に合わねぇ高くて透き通る声に振り向けば、顔ははっきりと見えないけど、多分同い年くらいの女子。





「……誰すか?」




俺の名前を知ってる時点でただものじゃねぇ。


一応、腰を低くする。




「私、Aちゃんと友達の紗里です…!」


「Aと、友達?」

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設定タグ:呪術廻戦 , 虎杖悠仁   
作品ジャンル:恋愛
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時

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