35話 ページ36
紗里っていうその子は、俺と話がしたいと近くの公園に一緒に入った。
早く帰りてぇんだけど…なんてことはもちろん言わずに。
「で、何?話って。
俺と君で話すことなんてある?」
「な、何か怒ってる?」
「怒ってないよ、眠ぃだけ。」
俺の言葉に肩の力を抜くと、俺にある写真を見せてくる。
真夜中のスマホのライトは眩しっ…じゃなくて、
…これって、
「虎杖悠仁くんって、Aちゃんの彼氏です…よね?
あの…Aちゃん、多分この人と浮気してます…ッ。」
「あー……」
一体どっからツッコめばいいんだ…?
まず彼氏じゃねぇし、Aに彼氏も多分いないから浮気な訳がないし…何より、
このツーショット…相手、伏黒じゃねぇか。
いつの隠し撮りだこれ…。
全部勘違いだって教えてやらねぇと……
「…あの、実は前にAちゃんに彼氏を取られたことがあって…だから、虎杖悠仁くんにあの子は危ないって教えてあげないとって思って…それで、私…」
「…そっかー。」
Aに彼氏を、ねぇ。
「もしかして、俺のことナメてる?」
「え……?」
「…。
あーごめん、何でもない。
わざわざ忠告してくれてサンキュ。」
俺の言葉にその子は顔を明るくすると、「私は別に…!」なんて笑った。
俺は衝動的に首をポキっと鳴らした。
…なるほどね、俺わかったかもしれん。
「……ッハァ。
…あのさ、よかったら連絡先教えてくんない?
連絡取れる方が色々聞けるっしょ。」
「う、うん!そうだね!」
俺の提案にすぐに食いついた彼女と連絡先を交換して、俺のスマホの画面には新たに友達が追加された。
……。
「紗里ちゃんがどういう気持ちで、Aのこと"友達"って言ってるのかわかんねぇけど、"そんなこと"されても"友達"って言えんのはすげぇわ。」
「あはは…よく物好きだねって言われる。」
「"いい子"なんだな。」
その言葉に目を見開くと、ぼんやりとしか見えない中でも顔を赤く染めたのがわかった。
俺たちはそのまま数分話して、それから帰路に着いた。
もはや太陽が昇ってきつつあるその時間を、俺は噛み締めることなく早歩きでAのいる家に向かう。
早く顔が見たい、この気持ち悪い感覚を一刻も早く洗い流したい。
「…あー、早く会いてぇ。」
空を見上げれば、黒い雲が街を覆い始めていた。
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時