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33話 ページ34

「……A、平気?」



悠仁くんのその声が優しくて、まだ涙が溢れてくる。


後ろから私を抱きしめたまま顔を覗いてきて、ただ無言で涙を拭ってくれた。





やっぱり、この体温や匂いが1番安心する。






『……悠、仁くん"まで"離れて行かないで……ッ』





悠仁くんはきっと何のことかわからないと思う。


それでも、今はあのトラウマしか私の頭にはないから。





私、また大切な人がいなくなったりしたら……ッ






「……。
…おい伏黒、そろそろ教えろ。
何があったんだよ。」



「俺がここに来た時には……」



「ちげーよ。
お前とA、中学で何があったか聞いてんだよ。」





その瞬間、私を抱きしめる腕に力がこもった。


でも不思議と怖くない。




なんだか、絶対に守ってくれるって思える。



だからその分怖い。




悠仁くんがそれを知ってどう思うのか、わからないから。








伏黒くんは悠仁くんをしばらく見つめた後、深くため息をついた。






「…………俺が、全部悪い。」


『それはちが……ッ』


「……悪い。出直す。」


『伏黒く……!』




「A、」





その声にハッと我に帰る。


首を回せば、悠仁くんがただ私を見つめていた。



でもその目からは「追うな。」と言われているみたいだった。






『悠仁くん…あの、』


「……とりあえず、帰ろ?」


『……うん。』


















誰かを愛すってことは、どこかに犠牲が生まれること。


みんなが幸せになれるような形があればいいのに。




私がそう思うように、




伏黒くんも、



悠仁くんも




きっと、そう思ってたんだ。


















私と伏黒くんが別れた理由は簡単だ。




私があの時、伏黒くんに隣にいて欲しかったと同じように思う子が他に現れて、




そして呆気なく私を置いて離れて行っただけ。



















ドンッ!!




「………つまりさ、お前がAを見捨てたってことでいい?」



「まずこの手を退かせ。」



「悪ぃな伏黒。
俺、これでもかなり抑えてんの。」






怒りが込み上げて仕方ない。



昨日、俺はAが寝たのを確認してから一人で伏黒に話を聞きに来た。




多分、Aがいたら、お前も俺も腹割って話せねぇと思ったから。








でもさ、




「想像より何倍も酷い話だな。
お前、よくそれでAの前にいられるよな。」



「……お前が真っ直ぐ過ぎんだよ。」



「…俺に殺されてぇの?」

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設定タグ:呪術廻戦 , 虎杖悠仁   
作品ジャンル:恋愛
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時

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