21話 ページ22
私は中身の箱を取り出して、パカっと開けた。
思わず目を見開く。
『え、これ……』
「その…俺のせいで、Aに怪我させたから…お詫びっていうか…お詫びにもなんないかもしれないけど…」
「見た瞬間、Aに似合うと思ったんだよね。」そう言って照れ臭そうに笑う悠仁くん。
『……。』
「え!ごめん!要らんかったら別に…」
『違う…このネックレス、私があの日見てたのと同じだから……』
「え…?」
そう、悠仁くんがプレゼントしてくれたこのネックレスは、私があの男2人に連れ去られる直前まで、1人で見ていたネックレスとまったく同じだった。
なんで……悠仁くんってエスパーなの?
でも驚きが、徐々に嬉しさに変わっていくのを感じた。
『嬉しい………ありがとう、悠仁くん。』
「……喜んでくれて安心した。」
ホッとしたよに笑う悠仁くんを見て、思わず胸が高鳴る。
なんだか、本当に彼氏みたいだなぁ…。
…ハッ、何考えてんだ私は。
ぶんぶんと頭を振って邪念を祓う。
『ねね!付けて!』
「付けてくれんの?!」
『うん!』
悠仁くんはパァッと顔を明るくすると、私からネックレスを受け取って背後に回り込む。
私が肩にかかる髪を持ち上げて、その間に悠仁くんが付けてくれる。
ヒヤッと金属の冷たさが伝わってくる。
「…ッ。」
『付いた?』
「……。」
『悠仁く…………ひゃっ!』
今、ネックレスじゃない感覚がうなじに走ったのだが……。
くすぐったくて思わず飛びのこうとすれば、背後から悠仁くんの腕がお腹に回って来てなぜか逃げられない。
『悠仁くん…?』
何も言わない彼に後ろを振り向こうとすれば、髪をもう片方の手で持ち上げられて、今度は首筋にくすぐったい感覚が走る。
その直後にわずかに聞こえたのは、悠仁くんの吐息とリップ音だった。
「……ごめん、思わずやっちゃった。」
『え……え?』
「ネックレス付けたよ。」
『うん……?』
その言葉と共にやっと解放された私は、なぜか少しだけ高鳴る鼓動を抑えつつ鏡の前まで行ってみる。
わぁ…可愛い。
『学校にもバレないように付けて行くね〜!
ふふ〜嬉しいなぁ。』
「……………可愛すぎるんですけど。」
悠仁くんが何か言った気もするけど、私はこのネックレスを明日どうやって友達に自慢しようかとしか考えていなかった。
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時