2話 ページ3
でも、体に衝撃を感じるも痛みはほとんどない。
ギュッと閉じていた目をゆっくりと開けた。
『え……あれ？』
そして理解した。
私を抱きしめて横たわっている、この人が身を挺して守ってくれたらしい。
「おい！君たち大丈夫か？！」
「怪我は？！誰か救急車！」
『わ、私は大丈夫ですけどこの人が…！』
「……いや、大丈夫っす。」
そう言ったのは紛れもなく私を助けてくれたこの人。
その言葉と共にゆっくりと体が私から離れる。
え、本当に大丈夫なの…？
身体能力どうなってんの……じゃなくて。
疑うように顔を見た。
……………あれ、ちょっと待って。
この顔どっかで見たような…というより、今一番脳裏に焼き付いている顔のような気がするけど、そんなまさか……
「怪我、本当にないっすか？」
『は、はい……あなたのおかげで……』
「ならよかった。
…………あれ、どこやったっけ。」
その人はキョロキョロと辺りを見渡すと、目的のものを見つけたらしくそちらに行くと、私の元まで戻ってくる。
「……これ、ありがとうございました。
じゃあ俺はこれで。」
そう、手渡されたのは昨日私が無理矢理渡した傘。
それだけ残して彼は何事もなかったかのように去って行く。
今日は昨日よりもちゃんと見えた。
顔も、姿も。
やっぱり傷だらけで、制服であろう服にも傷や汚れが見えた。
やばい人だ……やばい人なはずなのに。
……助けてくれたのに、本当にやばい人か？
…さっき、あんなことはもうしないって決めたのに。
やっぱり私の口は勝手に開いていた。
咄嗟に追いかけた私は、彼の後ろから手を掴んだ。
『……ウチ、来ますか？』
「え……」
『いや、拒否権ないですから。』
この人はきっと大丈夫だ。
一体私はどうしちゃったのだろうか。
見ず知らずの人を無理矢理自分の家に招くなんてどうかしているにも程がある。
でも………なんだか放っておけなかったんだもん。
そう、傘も持ってないのに雨に打たれているから放っておかなかっただけだ。
助けてくれたのに、昨日と変わらず傷ついた姿を見て放っておかなかっただけだ。
昨日と変わらず……その目の奥に秘めた悲しそうな色を見て放っておけなかっただけだ。
そう、ただそれだけ。
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え？)続編おめでとうございます！！！ (2022年3月17日 20時) (
レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2021年12月26日 0時
