雨の日に虎を拾った【呪術廻戦】

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その日は雨だった。





そう、雨だったから早く家に帰りたかったんだ。





傘をさして足早に学校から帰っていた。




普段通ることのない近道を通って。







『さっ……む。』




しかし今日は冷えるなぁ…そっか、もう冬だもんね。




なんて、身を縮めながら普段より一層薄暗くなった人気のない細い道を歩いていた。







『おわっ……？！』







びっ……くりしたぁ。




だって、角を曲がったらこんな細い道に人が座り込んでんだよ？ビビるわ。





でも向こうは私に気づいてるんだかそうでないのかわからないけど、一切見向きもしない。








そー…っと、通り抜けよう。







………って、ん？







薄暗くてよく見えなかったけど、近寄ってみればこの人……怪我してる。





傘もささずに、こんなところで座り込んで傷だらけなんてやばい人に決まってる……。








でも……なんだろう。





この時の私は一体何に惹かれたのかわからない。



こんなこと、普段の私なら言うはずもないし思いつきもしないはずなのに。







『……ウチ、来ますか？』







気がつけば、そう口走っていたんだ。

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