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15話 ページ16

自分のベッドの上で横になる悟の横にバタンと倒れた。



あー…お風呂、メイクも落とさなきゃ…

今、何時だ…?





時計の針の音だけが響く寝室。


ダメだ……このまま眠れそう…







「A……?」


『…んー?悟起きたぁ…?
部屋勝手に使ってていーから…ふわぁ……』


「うん………ねぇ、A。」


『んー……?』






「好きだよ……おかしくなるくらいに。」





酔いも回っていて、眠気もピークだったのに、その言葉は鮮明に頭に流れ込んできて。



ぼやける視界の中、悟が私の上に覆い被さってきて、そのままとろけるような甘いキスをした。


それは段々深くなっていって、お互いの息遣いとシーツの擦れる音が、気がつけば部屋に響いていた。






ただその時間が、凄く満たされた感覚になった。









「………腰、大丈夫?」


『めっちゃ痛い…馬鹿。』


「あはは、ごめんって。

……ごめん。」




手を出してはいけない領域だってわかっていたのに。


それでも、お酒の力には敵わなかった抵抗。



いや、本当はずっと求めていたのかもしれない。


こんな風に、全部忘れさせて満たしてくれるような何かを。





「でも後悔してない。」


『え、…?』


「どんな形でもいいよ。
僕はずっとAのこと好きだったから。
Aが少しでも僕のことを必要としてくれるなら、何でもいい。」




ああ……悟は変わらないな。


その意思の強い眼差しも、何もかも。



私はどうだ…こんな中途半端な女になってしまった。



だってこの部屋にまだ、飾ってあるんだもん。


あの頃の写真と、黄色い水仙が。



何より最低なのは、




「僕が必要ならいつでも頼って。
ま、必要とされなくても自ら来ちゃうけどっ!」


『……バーカ。』




悟が私を呼ぶたびに、「好き…ッ」と言うたびに、頭に浮かんでくるのが悟じゃないから。



ああ……ほんと中途半端で、情けなくて、愚かだ。


全然忘れられてないじゃないの。



そんな風に、私と悟の関係は別の意味で始まってしまった。



悟は私に呼ばれなくても勝手に来るし、私が仮に呼んだりすれば凄い勢いでやって来る。




ほんと、都合のいい女だよ。





だけどそんな日が続いていたある日のことだった。





12月31日


呪詛師 夏油傑による百鬼夜行



京都と東京に呪霊を放ち、多数の被害



学生時代以来の傑の姿を見て泣きそうになった。




「やっ!A!」


『す、ぐる…?』

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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ちゃっぱ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!コメントありがとうございます^_^ オチは作成当初から決めています!ネタバレになってしまうのでオチをここで言うことは出来ませんが、完結間近ですのでぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです( ; ; )ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年6月23日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年5月3日 14時

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