【名探偵コナン】×【相棒】何故か一緒になってしまった世界で生きます (ページ15)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:49,286 hit

12. 迫る影ページ15

Noside

先程Aとぶつかった男はひとり、杯戸中央病院の駐車場に停められている車(黒のポルシェ356A)に乗り込んだ。

男が乗り込んだあと、その車は程なくして動き出した。

男｢遅くなってすみません｣

？｢随分とかかってたようですが、何かあったんですか？｣

男｢まぁ、ちょっとあってね…｣

その男が乗り込んだ車には黒装束に身を包んだ男が２人いた。

１人はサングラスを掛けた架台(がたい)のいい男で、運転席に座っていた。
もう１人は黒装束の間から銀色の特徴的な長い髪を覗かせる男で、煙草を口にくわえてサングラスを掛けた男の隣の席に座っていた。
あとから車に乗り込んだ男は口に笑みを浮かべながら後部座席に腰を下ろし直した。

？｢…てめぇにしては遅かったな、ベルモット｣

男｢…ﾌｯ……これでも私は(・・)頑張って早くしたんだけどね？｣

ベルモットと呼ばれた男は顔の端に手を添えると思いっきり皮のような物を引っ張り、本来の姿を露にした。
特徴的な瞳にスッとした顔立ち、プラチナブロンドの髪が彼女の本来の姿だ。

？｢ﾌｯ……｣

？｢兄貴、このあとはどうしますか？｣

？｢そう急くな、ウォッカ。あの方の許しは得ているが、急いて動けば奴の思うつぼだ｣

サングラスを掛けた男はウォッカ。銀髪の男のことを兄貴と読んでいるらしい。

ウォ｢そうですが……｣

べ｢それで？何で私をわざわざこの杯戸中央病院に送り込んだの？前の時みたいに下っ端を送り込んだ方が良かったんじゃないかしら、ジン。もし私だと相手に悟られたら……｣

ジンと呼ばれた銀髪の男は不気味な笑みを浮かべながら煙草を吸って吐き出し、｢案ずることはねぇよ｣と言った。

ジ｢のろまな奴等が動き出すのはまだだ。…それに、どうやら俺達が狙っている情報保持者(ターゲット)は記憶がねぇらしいからお前だとか、お前の変装だと気づきやしねぇよ｣

ウォ｢まぁ、そうですね｣

べ｢…で、次はどうするのかしら？｣

ジ｢まだ思案中だが、俺の考え通りなら……思案中に動きがあると思うぜ？｣

そうジンは妖しく笑いながら目を光らせて言った。ウォッカはそれに続いて笑い、ベルモットは険しい顔をした。

Aも探偵も特命係も知らぬところで、新たな作戦が動こうとしていた。