6 ページ6
貴方side
しょーたAちゃん〜!来週の土曜日空いとる〜?
合コンの次の日、早速安田さんからLINEが来た。
A空いてますよ
決めた、安田さんの前では意地でもeighterだって隠そう。
私は、安田さんとのご飯までの1週間、いつも通り丸ちゃんの妄想をしながら過ごした。
土曜日。
安田さんとの約束の日。
いつも通りカジュアルな格好に薄めのメイクで家を出る。
今日は安田さんおすすめの居酒屋に行くらしい。
酒飲みたいしちょうど良いかも。
安田さんに指定された駅前の広場に行くと、しっかり変装した安田さんが待っていた。
奇抜な服装に黒マスクに黒帽子。怪しさMAX。
まあええや。
「遅れてすみません」
私は少しだけ走る。
「全然ええよぉ〜。まだ5分前やし！じゃあ行こか！」
安田さんが眼鏡、マスク越しからでも分かる笑顔でそう言った。
駅前の広場から居酒屋まで徒歩5分。
歩いている時間、安田さんと色々な話をした。
横に並んでみると意外と安田さんの背が高い事にびっくり。
まあ私がちっこいだけなんやけど。
居酒屋について、個室まで通される。
「っはぁ〜！！」
安田さんは勢いよく座り、解放されたような顔で帽子とマスクを外して、上着を脱いだ。
「何頼む？」
安田さんがニコニコしながらメニューを差し出してくる。
「ん〜…。とりあえず生とー…焼き鳥で。」
「じゃあ僕もそうする！すいませぇ〜ん！」
「安田さん、押すやつありますよ」
「あ、ほんまや」
安田さん天然炸裂。
そこはテレビで見るまんまで思わず吹き出してしまった。
料理を待ってる時、安田さんが
「Aちゃんはさぁ〜、僕の事どれだけ知っとるん？」
と聞いてきた。
そりゃあ推しがいるグループなんで各メンバーについては人並み以上には把握してますよ！
とは言えず…
「あまり…。アイドルには興味無いので。」
と返した。
「そっかぁ〜…」
安田さんは少し残念そうな顔をした。
安田さん、そんな顔しないで！
興味無いどころかほんまはめっちゃあるねんから！
「あ、あとさ、僕に敬語使うのやめて！安田さんって言うのと！」
「え、え？」
あのスーパーアイドルにタメ語を使え？しかもさん付けをやめろ？！
無理に決まってんだろー！
「いやぁ…仮にも芸能人なんですよねぇ…？さすがにちょっと…」
「えぇ〜…」
めっちゃ落ち込むやん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：昴 | 作成日時：2020年1月6日 13時
