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青side
もう2年も会ってない友達から連絡が来て、何かと思ったら合コン来てくれって…
人数が足りんかったらしい。
まあ暇やからええけどどうせ可愛い子おらんのやろなぁ…。
そう思いつつ友達は大事にしたいので渋々OKした。
仕事終わり。
「やす、そんな急いでどうしたん」
大倉に聞かれる。
「合コン行くねん。人数足りんから出てくれって」
「週刊誌に気を付けろよー」
信ちゃんはやっぱりオカンや。
僕は、みんなに見送られながら足早に楽屋を去った。
タクシーに乗り込み、指定された店へ向かう。
案内されたところは個室。
そこではすでにカップルが出来上がっていた。
その中でも、1人、ぽつんとお酒を飲む女の子が。
可哀想やったから
「けっこー豪快に飲むなー」
と話しかけた。
「こんなもんですよ。」
女の子は当然のように答える。
なんや、この子めっちゃおもろいやん。
僕が思わず笑ってしまうと
「誰ですか」
と言いながら女の子は僕の方を向いた。
身体中に電撃が走ったような感覚になる。
次の瞬間、
「うわっ！」
女の子は少し後ろに下がってしまった。
ちょっと傷付いたなぁ〜…。
「そんなびっくりする事ないやん〜」
僕は軽くそう言った。
すると、
「どうしたの？」
僕をここに誘った張本人、高木がどうやら僕に気付いたらしい。
「安田さんじゃないですか！」
と一気に明るい声で言った。
「関ジャニ∞の安田章大です〜」
僕が営業用のアイドルスマイルでそう言うと、女の子たちは悲鳴にも似た黄色い歓声を上げる。
ただ1人、僕の隣にいる子だけは、僕の事をじろじろと観察しとったけどね。
それにしてもやばい、なんか変な感覚になった。
なんやろー、この気持ち。
めっちゃ友達なりたい
名前も聞けたし、どさくさに紛れて手握れたし、LINEも交換できたし、今度遊ぶ約束もした。
僕、こんなさっさと行動する奴やっけ？
違うよなぁ〜。
なんでやろ。
まあええや。
Aちゃんしっかりしてそうやし、俺がアイドルやからどうこうとかなさそうやし、久々にちゃんとした女友達出来たかも笑
途中でぶりっ子みたいな奴に話しかけられたけどお愛想アイドルスマイルで華麗にスルー。
もっと仲良くなりたいなぁ〜…
僕は、強引にAちゃんと乗った帰りのタクシーの中でそう思った。
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作者名：昴 | 作成日時：2020年1月6日 13時
