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Episode6 ページ6
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扉がそっと開いたかと思えば、つやつやとした髪を揺らして俺の隣に座る。
「遅くなってごめん、掃除当番があって」
「お疲れ様」
図書委員と言っても、やることはそんなにない。本の貸出期限はこの日までですよ、というしおりを挟んで手渡すだけ。貸し出しの管理は司書さんがやってくれる。
「今日で終わりだね、当番」
そう呟くAちゃんにそうだね、と相槌を打つ。
「赤葦、これ借りたいんだけど」
分厚いマンガ本をカウンターに載せたのは、俺のクラスメイトだった。最近、漫画の貸し出しを始めてから、図書館に通う生徒が増えたらしい。
「昨日お前ら一緒に帰ってたろ、まさかそういう感じ?」
俺たちは思春期な手前、そういう話題にひどく敏感だった。冷やかすような目線で、俺と彼女を交互に見やる。
「何もない」
半ば意地だった。
俺がAちゃんに抱いている好意は、彼女以外、だれもしらなくていいのだ。
「絶対、何もない」
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作者名:にんじん | 作成日時:2020年3月20日 14時