第百三十二話 汚い大人 ページ2
『若い女は便利ですね。力が無くて頭が悪い。強い者に食われるためにあるようだ。それが有史以来のオキテなのかもしれませんね』
「おいカネシロ、待ってろや!てめえのオタカラ、ふんだくってやるからよ」
『ハハハ、笑わせるなよコソ泥。ここは最高峰のセキュリティを施した俺の城だ。どいつも金さえ渡せば何でもやる。お前らの命くらい、息をするように奪うぞ』
カネシロの合図により、金で買収されたと思われるシャドウが現れた。
金さえ渡せば、か。生きるためには確かに金は必要だが、決してそれが全てではないと思うのに。
Aは切なく思いつつも、『エアリエルのうた』を発動させ、スカルの電撃属性を強化する。
彼はマハジオで感電させることによって、敵の動きを止めた。
「ナイスだ!リティ、スカル!あまりにも数が多い。一旦逃げるぞ!!」
部屋を飛び出して出口へと走る。
__が、出ようとした所を敵に塞がれた。
「ずいぶん辛そうですねぇ」
「こそこそしやがって、カネシロぉ!」
「それはこちらの台詞です。しかし素晴らしい商品を提供してくれたことには礼を言いますよ。……そろそろ消えてもらおうか」
その時、前にも後ろにも敵が現れて完全に囲まれてしまった。
倒そうにも数が多すぎて本当にキリがない。
どうすれば……!
「銀行経営は大変でね。迷惑な客は殺すことにしている。生意気なガキひとり消えるだけであっちの世界じゃ良い見せしめになる」
「お前の姉さんは美人だからな。俺のオモチャにしてやろう。飽きたら売ればいいし。ああかわいそうなお姉ちゃん。妹がこんな馬鹿じゃなけるあ、出世できたのにねぇ」
「お姉ちゃんは関係ないじゃない!」
「なら明日から客をとれよ。我慢して言いなりになってればいいの」
「我慢……。言いなり……」
それは真が大嫌いな言葉だ。
いつもの自分を彷彿とさせる言葉だったから。
「お前なら、300万くらいすぐに稼げるよ。その頃はお前の人生も何もかもめちゃくちゃになってるけどな!ギャハハハハ!!」
好き勝手言ってくれて。
お姉ちゃんをオモチャにする?私を使って金を稼ぐ?冗談じゃない、ふざけるのも大概にしろ。
誰がお前みたいなクソ野郎の指図なんか聞くものか。私は……!!
「さっきから黙って聞いてりゃ……」
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作者名:すみれ | 作成日時:2021年4月4日 2時