第五十二話 斑目展のチケット ページ10
斑目先生が車の中から喜多川くんを呼ぶ。
いきなり車から降りたって言ってたからなぁ。
「すみません、先生。今戻ります!」
「あのジイさんがマダラメ……?」
竜司のそんな呟きは無視し、喜多川くんは再び杏に近付く。
「明日から駅前のデパートで、斑目先生の個展が始まる。初日は俺も手伝いに行くんだ。是非来てくれ。モデルの件……そのときにでも返事をもらえると……」
ニパーッとした笑顔で喜多川くんは
そして今度は私たちの方を、ジトーとした目で見てくる。
「どうせ絵画に興味はないだろうが、チケットは人数分渡してやるよ」
杏にチケットを手渡しし、喜多川くんは「じゃあ明日!」と言って去っていった。
なんか、嵐がやってきたような気分になったな。
「わっかりやすいヤツ……」
「まあ、チケットはみんな分くれたわけだし?悪い人では……なさそうじゃない?」
「何も感じないって言われてたけどな!」
「ちょっと!」
あんま気にしないようにしようと思ってたのに!
自然とムスーッとした表情になる私。
そんな私の頭を杏はよしよしと撫でてくれる。
「というか、行く気じゃねえよな?」
「……行ってみようかな」
予想外の答えすぎて、私はええっ!と声を上げてしまった。
「行くわけないでしょ!?」って返すと思ってたのに……
杏はスマホを取り出して時間を確認する。
忘れてたけど、今は登校中だった。
「やばっ!時間!A行こ!」
「う、うん!」
杏に手を握られて、一緒に駆け出す。
(杏、本気なのかな……大丈夫かな)
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ー放課後ー
無事試験が終わった私たちは帝急ビルに集まっていた。
「ンーッ!終わったー!」
「終わった……」
「竜司、杏のとは意味が違う気がする……」
「うっせ!……てか、試験の話やめようぜ?嫌でも来週、答案が返ってくるんだしよ!終わった話より」
竜司はスマホを取り出して、何かのページを真剣に眺める。
「なに見てんの?」
「
「ワガハイ、一発屋で終わんのはご免だぜ?」
みんなは前に鴨志田先生を改心してるからな。
それから私のお母様も改心してくれたけど、狙っているのはあくまで大物らしい。そう考えたらまだあんまり活動してないようにも感じる。
「斑目先生。もしかしたらメメントスで聞いたのと関係あるかもじゃない?」
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» わかってくれますか!すごく嬉しいです(^^) 音楽を聴きながら読むのはやっぱり楽しいですよね〜♪そしてお話、是非したいです!少し忙しい身なので返信は遅くなるかもしれませんが、それでもよかったら私のボードに来てください!作品の感想もありがとうございます! (2020年6月28日 15時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - ペルソナ5sの曲を聴きながらこれを読んでいます!分かりますその楽しみ方!!いつか話せる時があったら話してみませんか?面白かったです! (2020年6月28日 11時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 皇妃葎さん» ありがとうございます!めっちゃ嬉しくて舞い上がってました!いい作品だなんて言われちゃってニヤついてしまいました笑評価もありがとうございます!更新めっちゃ頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願いします♪ (2020年5月31日 13時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
皇妃葎 - 続編おめでとうです!いい作品すぎて星を何回も押してる…。どうして一回しか押せないんですか!?更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月31日 10時) (レス) id: c6aa45914a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2020年5月24日 18時