【銀魂】 血塗れの桜 第七章

第288話　小説更新すると肩が凝る老化現象 ページ25

念のため全てのフロアを確認し、死人が余計に出ていないかを確認する

どうやらあの二つの死体は無駄ではなかったらしく、本当に二人で見廻りをしていたようだった


ただ…


A「狙いは魁利と近藤さん、か…」



二人を痛めつける人間を思い浮かべるだけで胸の奥の辺りからどす黒いものがこみ上げてくるような感覚に陥る


私が護るべき人達を傷つける人間を私は生かしておけない

伊東の事もあって忘れていたが……私はやはり闇に生きる殺戮者のようだ



人を殺す事で快感を感じ、

死体の血を浴びる事で生きていると実感する


楽しくて楽しくて仕方ない一方




総悟や土方さん、近藤さんや銀ちゃん達から学んだ人を殺さずに幸せになる方法

笑顔を絶やさずに、幸福になる方法



それもまた楽しい





ただ後者の方法には、人殺しを認めない姿勢があるのも知っている


人殺しをしたい自分

人殺しをせず暮らしたい自分



二つの自分は脳みそをグチャグチャに掻き回し、そのとき考えた事を忘れさせようとする


まるで…呪いのように



給湯室を見つけ、ヤカンに水を入れ血を洗い流し再び歩き始める


少し濁った水もまた美しい





漫画やアニメの主人公達は、人を殺さずに悪を成敗する

しかし実際はそんな生ぬるい事をしていては悪がなくなるような甘い世界でもない


…それに、悪という概念すら人によって違う

私は私から見た悪を倒す、それだけ




A「…人を殺さずに倒す、か」






その言葉は口に出しても分かる程、簡単な事ではないとひしひしと伝わる



無力で愚かな自分が悔しい、そう思うと刀を握る手は力がこもるだけだった

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