【銀魂】 血塗れの桜 第七章

第283話　お久しぶりです、お姉さま ページ20

一人で魁利を目の前にして、ショックを受けながらも見つめ続けていると扉が開いた


驚いて振り向くと、魁利に似た女性が2人立っていた

片方には見覚えがあり、もう片方も誰か察せた



立ち上がりお辞儀をすると、片方は気まずそうに顔を背けた




A「お久しぶりです…中瀬華さん。初めまして、中瀬鈴さん」


そう言うと、華さんは小声で「久しぶり」と言ってくれた
その様子を見た鈴さんは魁利によく似たそっくりな笑顔で笑いかけてくれた



鈴「貴方が魁利の上司の…」
A「はい、真選組一番隊副隊長を務めております奏多Aと申します」
鈴「よく魁利からの手紙に貴方の名前が載っていてねぇ…」
A「…そうでしたか」



静かに、懐かしそうに呟きながら魁利の頭を撫でる鈴さん

恐らくだが、家族という関係を知らずに育った私には



とても美しい親子に見えた




その子の命を蝕ませる事にしたこの私




とても…とても醜く感じた




鈴「魁利はねぇ…貴方の事、仕事を隊長さんとサボって始末書を書いて…憧れの真選組の剣豪とは思えない上司だって言ってたわ」


ﾌﾌﾌｯと面白そうに話す鈴さんに少し冷や汗が出る

魁利…そんな事も書いてたから私に手紙見せてくれなかったのか



鈴「でもねぇ…大きな仕事の後の手紙にはね?こう書いてあったのよ…?」


嬉しそうに便箋を見せ、私に読むように促した
私は不思議な気分で読み始める

第284話　なんだかんだ言って自分の親が一番だと思う日が来るらしい→←第282話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す