第252話 ページ33
数日も経たぬうちに、土方さんが無期限の謹慎処分に決まった事が完全に広まっていた
隊士達も混乱し、鍛練に身の入らない奴等ばかりだ
「副隊長もフォローしたんですよね?どうしてですか?」
A「どうしてってそりゃあ……色々恩もあるし…」
山崎「うわ誰この子、絶対Aちゃんじゃないよ。副長に恩があるとか言ってるもん!」
A「るっさい!…さがるん達はどう思う?今回の伊東の事」
直球に聞くと皆、とても言いづらそうな顔をした
まぁ無理もないだろう…隊内が元々二大勢力に割れているのも知っているし、私が土方派だと思われているんだから
山崎「…俺は局長派かな」
A「奇遇だね、さがるんと一緒ってのが気に喰わないが私も近藤派ってやつだよ」
山崎「なんか辛辣な言葉が聞こえた気が…」
A「……近藤さんは捨てられた私を拾って育ててくれた。女侍になる事も許してくれた…それに私は近藤さんに拾われた時からこの命、近藤さんの護るものの為にある。それを土方の野郎だろうと伊東の野郎だろうと…邪魔はさせないよ」
別にお前等にそうしろとは言わないけどさ、と言って縁側を歩く
別に……伊東を殺したいワケじゃあない
ただ、奴はいずれ近藤さんを倒すだろうと思っているだけだ
その時になったら私は剣を抜いて、どんな汚い手を使ってでも守り通す
A「…私が護り抜けばいいだけ」
「…望みはなにかね?」
ん?と気配を殺し、伊東の部屋の近くの壁に貼り付くと…
「勿論…副長の座でさァ」
彼の声が聞こえた
「フッ…僕につくならその望み、叶えてやると約束しよう」
総悟が副長になりたがっているのは知ってた
理由は多分…近藤さんの一番近くで働けるから
そのためなら……そのためなら………
A「土方さんを見捨てる事ができちゃうんだ」
総悟「…別におめぇはついてくる必要はねぇよ。てめぇの道歩いてろ」
A「言われなくとも自分の道歩いてるつもりだけどね……いくら私の一番愛してる人でも、私の道を塞ぐんなら」
総悟「いくら俺が一番愛してる奴でも、俺の願望邪魔すんなら」
「「屍踏んででも超えてやるよ」」
暖かな日差しが差し込む縁側で
二人の冷たい視線が交差した
二人の本心は一体……?
「……やはり彼女は噛めないか」
そう残念そうに笑う彼の目は心底悲しそうだった
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死神の鏡花 - 続き楽しみにしています (2018年5月8日 0時) (レス) id: 4e18eb5fcf (このIDを非表示/違反報告)
なくら(プロフ) - 梨蘭さん» 全部見て下さったんですね、ありがとうございます!!風邪が治り次第沢山更新したいと思うのでよろしくお願いします(*´ω`) (2014年3月6日 9時) (レス) id: c99269cb43 (このIDを非表示/違反報告)
梨蘭(プロフ) - すごく面白いです!このシリーズ1から全部見ました!!合格おめでとうございます♪これからも頑張ってください!応援してます(*´∀`) (2014年3月3日 1時) (レス) id: 343f8271cb (このIDを非表示/違反報告)
愛呼(プロフ) - いえいえ、本当はこちらが正解なんですよねwこれからも楽しみにしてます! (2014年2月21日 15時) (レス) id: e7b34c92b5 (このIDを非表示/違反報告)
なくら(プロフ) - 愛呼さん» 歴史上の人物になってしまいましたね…ご指摘ありがとうございます (2014年2月21日 13時) (レス) id: c99269cb43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なくら | 作者ホームページ:http://nakura/hosizuki1
作成日時:2014年1月16日 19時