隣 の 君 に 幸 あ れ 【SEKAINOOWARI】

＃34 ページ35

Aside




あの事故から二週間ほどたった。





それからというもの、





音楽活動にも、五人で暮らすセカオワハウスにも対して支障はなかった。






慧くんは、腕を怪我しても、ボーカルだから問題はなかったから。





でも、私の心と、慧くんの心には傷ができていた





私は、慧くんと目が合うと





罪悪感で潰されそうになる。





それが辛くて、自然と距離をとってしまっていた。





食事を取るダイニングにも、気まずい静寂が漂っているようにも感じる。





それから私は自分の部屋にこもる。





なにかするわけでもなく、ただただぼーっとして“無”になるのだ。






そうして一日を過ごすようになっていた。






外に出るのは芸能活動があるときだけだ。





そうしないといつか感情が爆発しそうだから。





ある日の、夕方、部屋のドアのノックが聞こえた。





入るよ。と言って入ってきたのは＿＿＿＿＿＿＿＿＿






『ちょっと、散歩に行かない？』





一番会いたくない、慧くんだった。

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