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深瀬「ちゃんと、話したいから。
散歩に行かない?」
腕のギプスが自然と目に入る。痛々しい。
嫌だ。行きたくない。そう思ったけれど、
私、謝ってない。
庇ってもらったこと。
ちゃんと謝らないと、ダメだ。
「行く。私も話したいのことがあるの」
軽い変装をして家を出た。
残念ながら、前のように手をつないで歩くことはできない。
謝って、許してもらうまでは。繋いではいけない
慧くんに着いていき、たどり着いたのは、近くの公園だった。
初めて出会った公園だ。
ぽっかりと空いた二台のブランコに二人は座った。
「………あのっ。
ごめんなさい。私のせいで怪我させちゃって。
それなのに、ずっと謝れずじまいで。
本当、ごめんなさい。」
ああ。ダメだ
涙が溢れてくる。
すると慧くんはフフッと笑って
私の頬を流れる涙を指ですくってみせた。
深瀬「あのね。俺はAちゃんのせいだとは思ってないよ。
俺ね、むしろ、Aちゃんが怪我してたほうが怒る。」
え…?なんで…?と私が言うと、
慧くんは、そっぽを向いて、なんて鈍感なんだ…と苦笑いした。
「え?どういうことなの?ねえ!」
すると、慧くんはしょうがないな。と呟いて、耳元で
“だって大切な彼女だから”
と言った。
“私も慧くんのそういうところ、好き”
林檎のように赤い頬を緩ませた私達だった。
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楓(プロフ) - ちひろさん» ありがとうございます!更新頑張りますっ。 (2016年7月30日 9時) (レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - すごく面白いです!!更新、楽しみに待ってます! (2016年7月29日 19時) (レス) id: 35f5aef485 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - れもんらぶさん» ありがとうございます!いえいえ、今文章力家出中なんですよ……ハハ。それでもそういってもらえると嬉しいですよ!更新頑張ります!! (2016年7月20日 18時) (レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
れもんらぶ(プロフ) - いつも読ませてもらっています。すごく面白いです!私も星空さんのイベントに参加してて、そこで初めてこの作品を見つけたのですが、文章力がすごすぎです!!分けて欲しいくらいです、、更新頑張ってください!!! (2016年7月20日 17時) (レス) id: 543648c430 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - すずさん» こんにちは!ありがとうございます。私は、やる気が出ても結局文才とか気にして諦めてしまうんですけど…そう言ってもらえると嬉しいです!! (2016年6月28日 15時) (レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/bbs/32b1b27fac8b85690cc77bb582d58c1
作成日時:2016年3月11日 18時