水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ43)

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『甘い香り』モトキ×友達ページ43

Aside

今日は私の数少ない男友達の1人、モトキの家に遊びに来ております。何故か彼のお友達も一緒です。私もモトキも同い年で、彼の友達も同い年だからすぐに仲良くなりました。

『モトキでもグミ以外のお菓子食べるんだね』

モ「そりゃ食うよ？w 美味しいもんはね」

『グミしか食べない人間かと思ってた』

シ「何この子超おもしれぇじゃんw」

なんでだろ。普通にいつも通りモトキとお話してるだけなのに、さっきから笑われっぱなし。だけどモトキは普通にお話してくれる。

モ「Aも食べる？ポッキー」

『私ポッキー好き！ちょーだい』

モ「はい、どーぞ」

……………え？

モ「…？食べないの？」

モトキは不思議そうな顔してるけど、私の方こそその顔したいね。だって、モトキは袋から1本出したかと思えばそれを自分の口に運び、咥えたから。

『……それじゃ私食べれないじゃん』

モ「何でよ？そっちの端っこからもぐもぐすればいいじゃん」

ぐ……、もぐもぐって…。君は本気でそれ言ってるの？？

モ「はい、早く食べて」

ずいっ、と彼の顔が目の前まで迫り、私はポッキーを加えるほかなくなってしまう。

サクッ…サクッ、

＿＿＿ちょ、嘘でしょ…!?食べ始めたよ!?

咀嚼音が聞こえる度に近づく距離。ほのかに香るこの甘い匂いはお菓子のものか、彼のものか。

このまま食べ進められればもう確実に……。それを想像してしまえば勝手に瞼は固く瞑られてしまう。

ポキッ

『……ふぇ？』

モ「あはは、美味しかった」

途中でポッキーの折れる音がして目を開けると、彼の顔は既に離れていて、イタズラに口元を綻ばせていた。

モ「今日ポッキーの日なんだってさ。A来るって言うからちょっと意地悪したくなっちゃってw ごめんね？」

……そんなの、狡い。そんな笑顔狡い。許したくなっちゃう。

『もう1本、欲しい』

モ「…いいよ。次は途中で折らないかもしれないけど？」

『………もう1本欲しいの』

この日からだった。私が君への恋心を自覚したのは。

『ねぇ！ポッキーちょーだい！去年みたいなのしよーよ！』

モ「しつこいなぁ、持ってないから普通のキスで我慢しなさい！」

今では素敵な私の彼氏です。

--------ｷﾘﾄﾘ線--------

今日(11/11)はポッキーの日ということで書きました。

皆さんはポッキー食べました？

私は食べてません。