水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ35)

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『嫉妬なんてしてねぇし』ダーマ×恋人ページ35

ダーマside

今日は久しぶりに撮影しに顔出した。先日マサイ含め高校の同級生と旅行に行くまでは、メンバーの誰にも会えず、勿論彼女にも会えてえなかった。

ダ「うぃーっす」

荷物を置かせてもらって、いるはずのAを探して視線を彷徨わせる。隣の部屋から声が聞こえて覗いてみると、そこではシルクとAがスマブラをしていた。

ただしていただけならいい。それが、Aがシルクの胡座の中にすっぽり入りながらやってるから問題なのだ。

当然シルクが後ろから抱きしめる形になっている。しかもあのタラコ野郎、調子乗ってAの肩に顎乗せてやがる。

ダ「マサイ、これ何？いつもこうなの？」

マ「わっかんねw でも見たのは初めてだな」

ダ「ふざけやがってよぉ……」

ため息をつき、俺はイヤホンを取り出し片耳だけに付けた。

それから数分後、シルクとAが楽しげに話しながら部屋から出てきた。彼女は俺に「お、久しぶり」と言うだけで、今度はマサイの方へ行ってしまう。

＿＿＿＿あ、俺遂に嫌われたか。

それも仕方ないことだ。最近仕事の方が忙しくて中々会ってやれなかったし、連絡も頻繁にはできなかった。

けど、けどな……。

キッチンに立つマサイに「手伝うよ」と洗い物をしだしたA。マサイも嬉しそうに「ありがと」と。あ、今頭撫でたな。

＿＿＿＿無理、絶対に無理！もう耐えらんね……！

ダ「おい、Aさ…!!」

俺はタオルで拭いた直後の彼女の手首を掴み、強く引いて腕の中で強く抱きしめた。

ダ「シルクもマサイも、こいつ俺のなんだけど」

『……っ!?』

マ「っ!?いや、……わりぃw」

シ「ぶっw すまんかったw」

何笑ってんだこいつら、ニヤニヤしやがって。Aは顔赤くして俺の事ぎゅっとしてくるし。

『……もう嫌われちゃったかと思ったの…』

ダ「は？」

『2人に嫌われたかもって言ったら、ダーマが来ても素っ気なく接してたら我慢できなくなってぎゅってしてくれるよって言われて……』

シ「お前がAのこと嫌いになれるわけねーからなw」

ダ「俺こいつ連れてもう帰っていい？」

マ「ダメだよ！w」

なんか手の上で踊らされてたみたいでむかつくが、Aの可愛さに免じて許してやる。

『嫉妬、してくれた……？』

ダ「……してねーよ」

逆に嫉妬してねぇ訳ねぇだろーが。あほ。もうそういうことすんな馬鹿。