水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ34)

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『帰宅後の焦燥』モトキ×恋人ページ34

モトキside

今日は一日中だほちゃんと2人での撮影で、マサイの部屋を借りてた。彼女であるAはシルクの部屋に置いて、シルクとマサイに面倒見てもらうように頼んでおいた。

『私は面倒見てもらうほど子供じゃないんですけど!!』

俺が2人に言うのを聞いたAは拗ねたようにそう言ってたなぁ、なんて可愛い姿を思い浮かべ、口元は緩んだまま靴を脱いだ。

モ「A、ただい＿＿＿＿」

俺は最後まで言わず止めた。2人の声の感じが、いつもと少し違うことに気づいたから。

シ「ここ、どう？痛くない？」

『んっ…大丈夫…！シルク、するの激しすぎて痛そうだと思ってた……』

シ「ひでぇな…w モトキがしてくれる方が気持ちいいだろうけど…」

『シルクがしてくれるのも気持ちいいってば…笑』

何の話？てか2人は俺がいない間に何してるわけ？マサイは？靴あったしいるはずだよな？

俺の頭には疑問しか浮かんでこない。

『ん……っ、あ、ちょっと痛い…かも……っ』

シ「もうちょい優しくな？」

どう見ても、いやどう聞いてもこれいかがわしいことしてるよな？？

彼氏の俺がいない間に。他の男と？Aがそんなことするはずない。

『シルク、もうここいいから……次こっち…！』

シ「はいはいお姫様」

いやいや、勝手に人の彼女のことお姫様って呼ぶか？？どう考えてもおかしい。こうなったら早く止めてやる。

俺は声の聞こえる部屋のドアノブに手をかけて、カチャリと開けた。そして開けた瞬間に言うのだ。

モ「おい、お前ら何やって＿＿＿＿＿」

シ「お、モトキ！おかえり〜」

『おかえりなさーい』

モ「……は？」

そこにはシルクとAがいた。2人とも座ってて、シルクがAの後ろから肩に手を置いて、肩揉みをしていた。

モ「……勘違いさせんなよ…！」

『勘違い？何が？』

シ「あ……w 察したわ、俺が親友の彼女に手ぇ出すわけねーだろw」

何も分かってなさそうな彼女に「残りは彼氏にやってもらえ」と言い残して、マサイがいるという編集部屋へと去っていったシルク。

モ「……変な事してなくても、あんまり他の男に触られないで」

『へ？あ……。うん、ごめんね。気をつけます』

にっこり笑って「モトキ！続き早く早く！」と俺の手を引く彼女。

純粋無垢な彼女より、ただのマッサージをそーゆーことに捉えてしまった俺の方が寧ろ変態なのでは？