水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ31)

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『俺の彼女になれよ(2)』シルク×先輩ページ31

シルクside

俺はAの顔を覗き込み笑いかけると、彼女の腕を強めに自分の方へ引っ張った。

『な、何ですか？離れてください…！』

シ「何で？」

『ち、近いからです……!!』

シ「でもマサイに口説かれた時は嫌じゃなさそうだったじゃん」

俺の片手で腕を掴まれたまま、俺のもう片方の手を自分の腰に回され、俺と顔がくっつきそうなくらい近づいたA。

俺もこんな近距離で見るAに緊張してるのか、心做しか身体が熱く頭がぽーっとする。

『そ、そんなことない……です…！』

Aも俺と同じように緊張してくれてるのかな。そうだといいな。これで少しでも俺のことを意識してくれればいい、そう思う。

シ「そんならいいけど。………お前は俺のだからね」

『へ、』

シ「ふふw じゃ、またな！」

俺はズボンのポケットに手を突っ込み、片方の手を挙げてAに手を振った。

•*¨*•.¸¸☆*･ﾟ

シ「おーい！Aー！」

『何ですか、シルク先輩。今日二回目ですけど』

シ「ははw まぁしゃーなしってことで」

『よくわかんないです』

帰り際、下駄箱前で捕まえたA。呆れられたような態度は先程と同じく変わらない。

シ「一緒に帰ろ？」

『ダメです』

シ「即答かよw」

『そんな所誰かに見られたら……！』

シ「…見られたら？」

『……見られたら、先輩の周りの女の子たちから恨まれちゃうんで』

シ「俺別に気にしないよ？」

『私が気にするんです!!』

シ「じゃあ俺勝手に隣ついてくわ」

頑固な俺の言葉を聞いて諦めたのか、隣を歩く俺を拒否することなく彼女も帰り道を歩いた。

シ「なぁ、今日お前ん家行ってみてもいい？」

『急ですね、ダメです』

シ「また誰かに見られたらってヤツ？」

『……そうです』

シ「じゃあまた勝手についてく。それならいいだろ？」

『それはもうストーカー行為ですよ？』

シ「そういう冗談言えてるうちは大丈夫だな」

『…先輩はやるって言ったこと絶対やりますもんね』

シ「ははw わかってんじゃん！」

『ちょ、肩組まないでください！近いです！』

シ「へへ、照れちゃって〜！さっきあんな近くで俺と見つめ合ってたのに？」

『恥ずかしいこと言わないでくださいっ!!』