『イエス』シルク×恋人 ページ10
シルクside
梅雨の季節でもなく、台風が接近している訳でもないが、今日は酷く雨が降っていた。こんな雨の中外に出ている人は、周りには誰一人、俺以外にはいない。
大粒の雨に打たれ、あの愛しい姿を探して“愛してる”と叫び走り回っていた。しかし、降りしきる雨の音にその声は掻き消される。
___君には届かないと分かっているけど、それでも構わない。例え張り裂けそうになっても。
シ「愛してる……。愛してるよ…!」
たったこれだけの一言、簡単な言葉なのに、何故俺は言ってあげなかったんだろう…。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
あれからどれくらい経ったか俺にはわからない。数日か、数週間か、あるいは数ヶ月かもしれない。
何も手につかず、せめて動画だけは出さないと気が済まなかったのでマサイに編集を頼んだ。
メンバーに事情は話してあるが、最近俺が元気がないことを心配させてしまっている。
ただ理由もなく窓の外に目をやると、暗い夜の街にはあの日と同じ夜の雨が降っていた。どれだけ日が経ったとしても、時間が忘れさせるのはウソなんだと実感した。
『ね〜、編集休憩して私とも遊んでよー。構ってっ!』
シ「わーってるよ。けどこれだけやらせろってば」
『えー……』
甘く戯れてくるのを軽くあしらうとAは頬を膨らませて拗ねる。こんなの、今考えたらもっと構ってやればよかったと後悔の念に押し潰されそうになる。
___そうして、君といた日々を次々と思い出していることに気づいて。
『ねぇ、シルクは私のこと愛してる?』
これがAの口癖だった。不安なのか頻繁に聞いてくるけど、面倒だと思ったことは一度もない。が、素直に言うのが小っ恥ずかしくて大体は誤魔化した。
シ「まぁ……。てか分かれよ…//」
『あははっ』
こうやって悪戯に笑う君が好きだったんだ。
それなのに、ほんの些細なことで君を泣かせてしまった。あの日、雨に打たれながら、
『もういい…っ、もういいよ……』
シ「っ…!A、待てって!」
立ち去ろうとする彼女の細い腕を掴んで引き止める。視線を合わせずに振り返った彼女は大きな瞳に涙を浮かべ、笑ってみせた。
『……バイバイ、シルク…』
弱々しくそう言った彼女の涙声が、大好きだったはずの笑顔が、あまりにも切なく愛しくて。
___絶対に今離してはいけないという思いに反して、俺は何よりも大事な彼女の腕を離してしまった。
『イエス(2)』シルク×恋人→←『デレとデレ』ザカオ×恋人(mem)
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らいあ(プロフ) - Chさん» 返信遅れてすみません!! イエスいいですよね……最初聞いた時感動しましたw ありがとうございます! (2019年12月18日 6時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
Ch(プロフ) - こんにちは!先程イエスを読みました!読む前にタイトルで、もしや?と思ってましたら、当たってました(о´∀`о)!この曲、大好きなので、楽しくニヤニヤしながら読んじゃいました。 (2019年8月27日 10時) (レス) id: 14fa37869b (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - Nさん» 生きててよかっただなんて……!とてもとても嬉しいです!ありがとうございます(´▽`) (2019年7月28日 7時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
N - はっ!? 最高…ぐはっ…(鼻血) 生きてて良かった〜 この小説読めて良かった〜 これからも、頑張ってください!応援します!^^ (2019年7月28日 5時) (レス) id: f343a7c66b (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - みかん丸さん» ありがとうございますっ!頑張りまっす! (2019年6月29日 16時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らいあ | 作成日時:2019年4月10日 22時