『イエス(2)』シルク×恋人 ページ11
シルクside
俺たちの始まりはいつだったか覚えてないけど、Aに“好き”って言葉さえ言ったことが少なかった。
シ「なぁ、今なら……今ならまだ＿＿＿」
間に合うのかな。と淡く小さな希望だと自覚しながら、その希望に縋りつくように。
＿＿＿ポケットの中に“誓い”を大切にしまい込み、君に会いに家を飛び出した。
だが宛がなく、すぐにマサイへ連絡した。
シ“Aが今どうしてるか分かるか!?”
メッセージを送信してすぐに既読が付き、返信が送られてきた。
マ“Aなら俺の部屋にいるけど…”
シ“え、なんで”
マ“やましい理由はねぇよ!?……会うのか？”
シ“あぁ。Aとちゃんと話がしてぇ”
マ“待て。今家から逃げてった！すぐ追いかけろ！”
シ“マジか!?ありがとな！”
スマホから顔を上げると、奥で見覚えのある女性の後ろ姿が見えて、急いで走る。
シ「まさかあいつ、この雨の中傘なしで逃げ回る気じゃねぇだろうな…！」
先程見た姿が傘を持っているようには見えず、追いかける足を速める。自分も傘を持っていないことは頭の片隅にも置いていなかったが。
雨を遮る屋根がなくなると案の定、雨は容赦なく2人に打ち付ける。二人の距離は徐々に縮まり、近づき、やがて手の届く距離になる。
シ「…捕まえた」
『っ……なん…でよ…』
雨で濡れていることも忘れてAを後ろから強く抱きしめ、
シルク「愛してる。俺が、Aのことを、愛してるから。」
強くまっすぐに思いをぶつける。回した俺の片腕にAは優しく手を添えて、俺はもう片方の手でそれを包み込む。そして2人で向き合って、
『……寂しかった。』
シ「俺もだよ。」
瞳から零れる涙に雨が落ちて流れて、彼女はやわらかな笑顔を浮かべながら静かに目を閉じた。
それはただ触れるだけだったけど、2人にとってはたくさんの意味が込められたものだった。
『愛してる。』
＿＿＿この言葉を、もっと早くに。たった一言を、何故言ってあげなかったんだろう。
シ「A。もう絶対に、この手を離さないって誓うから。だから、＿＿＿」
右手で彼女の左手を取り、ポケットから“誓い”を取り出す。彼女はその意味に気づいて空いた手で口元を抑え、涙を必死に抑えようとしていた。
そんな彼女を前にして「やっぱりかわいいな」と思うのは至極当然のことだろう。思わず微笑みが溢れる。
シ「＿＿＿どうかこの指輪を受け取ってくれませんか？」
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らいあ(プロフ) - Chさん» 返信遅れてすみません!! イエスいいですよね……最初聞いた時感動しましたw ありがとうございます！ (2019年12月18日 6時) (
レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
Ch(プロフ) - こんにちは！先程イエスを読みました！読む前にタイトルで、もしや？と思ってましたら、当たってました(о´∀`о)！この曲、大好きなので、楽しくニヤニヤしながら読んじゃいました。 (2019年8月27日 10時) (レス) id: 14fa37869b (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - Nさん» 生きててよかっただなんて……！とてもとても嬉しいです！ありがとうございます(´▽｀) (2019年7月28日 7時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
N - はっ！？ 最高…ぐはっ…(鼻血) 生きてて良かった〜 この小説読めて良かった〜 これからも、頑張ってください！応援します！^^ (2019年7月28日 5時) (レス) id: f343a7c66b (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - みかん丸さん» ありがとうございますっ！頑張りまっす！ (2019年6月29日 16時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らいあ | 作成日時：2019年4月10日 22時
