もっと頼ってよ。 (ページ9)

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第八話ページ9

ピンポーン/

客の訪問を告げる家のチャイムの音で、目を覚ました。

どうせ、拓馬とかやろ。後で連絡入れといたらいいやろ。

起き上がる気力もなく、そう心の中で呟くも、チャイムを鳴らした人物は帰るつもりは無いらしい。

痺れを切らし、カーディガンを羽織って、玄関の扉を開ける。

するとそこには、拓馬...ではなく、脇先生が心配した様子で立っとった。

『...え、脇先生...？』

脇「...はぁ、風邪で休んだって聞いて、心配で来てみれば、こーやんな」

『...？』

脇「顔色、ばり悪いとよ。ご飯食べとらんやろ」

『...昼は食べました、』

脇「何を？」

『...軽く、パンとか』

脇「はぁ...そんなんじゃ良くなるもんもならんけん。家、上がっていいと？」

『あ、はい...』

片手に何やらスーパーの袋を持った脇先生に押されて、家に上げてしまった。

別にやましいことは無いんやけど、なぁ...

気ぃ使うし。...ってか、なんで来たんやろ。

『...せんせ、料理できると？』

「一人暮らし歴は長いんよぉー？多少の料理ぐらいは出来るっちゃん。少し待っとって」

『...食欲ないっちゃん』

「でも、食べた方がいい。お粥作っとーから、待っとって」

『.....』

「返事は？」

『...はい、』

お粥...

少しだけど、食欲湧いてきたかも。なんちって。w

風邪のせいか、キッチンに立って料理を進める脇先生は、いつもよりカッコよく見えた。