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病院で診断書を書いて貰って、俺とマネージャーは急いで事務所に向かった。一刻も早く知らせたくて、一刻も早くライブの準備に取り掛かりたくて、昨日までの俺なら発作に起こしてるんじゃないかって位に俺の心臓は煩く鼓動を刻んでて、興奮していた。デビュー出来ると分かった時にも似た高揚感。
「ワタル、ありがとう」
マネージャーにも聞こえない程小さな声で感謝の言葉を呟いた。
死神でも、悪魔でも、何でも良かった。
俺にチャンスをくれたワタルが俺には神だったから。
「藤ヶ谷、北山も社長と待ってるらしい。多分、報告したら、そのままライブとか新曲の打ち合わせに入るんじゃないか？」
「え、新曲？」
「ライブをやるなら、新曲は必須だろう？」
運転してるマネージャーから、そんな報告をされて俺は戸惑ったけど嬉しくて堪らなかった。失った物ひとつひとつを、この手の中に取り戻していく手応えを感じた。今まで感じた事の無い程の幸福。
「あー、早く歌いたい！」
「これから、嫌って位歌えるから安心しろ」
歌う事を苦痛に思った事なんて、ただの一度も無い。俺には歌が全てだから。俺が生きる上で必要不可欠なもの。歌が無ければ生きてなどいけない。それ位、俺にとって歌という存在は大きい。
「ライブの前に復帰会見もあるからな。それは多分、明日明後日には開くから、そのつもりで」
「それって、俺だけですか？」
「いや、北山にも出てもらう。二人での活動も再開だって発表したいから」
どんどん現実味が増していく。歌へまた一歩近付いた。俺は窓の外を眺めながら、小さな声で口ずさんだ。俺が一番大好きな曲を。一曲歌い終わる頃には事務所がもう目の前で、俺は隣に居るワタルに視線を送った。
「どうかした？」
「…別に」
マネージャーに聞かれないように、小さな声で答えた。昨日からずっと傍に居てくれるワタルに、俺は少なからず救われている。
どんなに大丈夫だと言われても、結果を見るまではどうしたって不安は消えないし、今だって仕事が出来ると報告に行くだけなのに、何故か物凄く緊張してる。だけど、隣にワタルが居る。それだけで、何処か安心してる自分がいる。俺は心の中でワタルにもう一度感謝の言葉を呟いた。
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琥珀 - はい！！絶対に読みます！！ってゆうか、読んでます(笑) (2015年5月6日 23時) (
レス) id: 81fa3df666 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 琥珀さん» コメント、ありがとうございます！楽しみにしてくださって、本当に嬉しいです。頑張りますので、引き続き読んでくださったら嬉しいです！ (2015年5月6日 15時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 頑張ってください！！続き、楽しみにしてます！！ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 652e9fb3ab (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 海樹さん» 此方にもコメントありがとうございます！凄く励みになります。ゆっくりになるとは思いますが、更新頑張りますので、これからも読んでいただけたら嬉しいです^ ^ (2015年4月18日 19時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 少ししか読んでないのに、文章がスーと頭に入ってきて自然とイメージを膨らませてくれました！ 文章がとても綺麗で、芯がありながらも優しい雰囲気を感じました☆ 更新楽しみにしています(*^^*) (2015年4月18日 19時) (レス) id: 8dd0998254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2015年4月18日 13時
