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構成担当のスタッフさんや衣装担当のスタッフさん達と大雑把に打ち合わせをしていく。
この時間が堪らなく好きだった。あーしよう、こーしよう、そうじゃない、こうしたいんだって何日も掛けて話して、それが形になる事が楽しかったから。
「藤ヶ谷、そろそろ帰って休めよ。体調崩したら元も子もないしさ。まだ病み上がりなんだから」
「ああ…うん、分かった」
北山の言葉に僕は大人しく従い帰り支度をした。
「それじゃあ…お先に失礼します、すみません」
「気にしないで、しっかり食べて寝なさいね」
軽く会釈をして俺が部屋を出ると、ずっと俺のそばで見ていたワタルが声を掛けて来た。
「いい加減、ちゃんと眠らないと俺の力で健康になったって言っても、普通に体を壊すよ」
「分かってるよ」
「分かってないから、こんな無茶してるんだろ」
エレベーターに乗り込んだ途端、肩を掴まれた。
「ちょ、痛い…」
掴まれた肩の痛みに眉を寄せた。
「頼むから…ちゃんと休んでよ」
「なんで…」
なんで、お前がそんな顔をするんだよ、そう言いかけて言葉を飲み込んだ。言葉を飲み込んでしまう程、ワタルの表情が悲しげだったから。
「………眠るのが、怖いんだ。朝、目が覚めたら全部夢で、俺は発作に怯える毎日に戻ってるんじゃないかって…」
あの日からずっと怖かった。
これが夢なのか現実なのか分からなくなっていく感覚。本当はワタルなんて居なくて、目が覚めたら病院のベッドの上で、無数の管に繋がれてるんじゃないかって、怖かった。
「大丈夫、これは全部現実だよ」
そう言いながら、ワタルが優しく頭を撫でてくれた。
「だから、ちゃんと休め。お前のライブが終わるまで、お前の命は俺が保証するから。思いっきり楽しんで歌え」
何故だろう。
ワタルの言葉が俺の凍えた心を溶かしていく。
安心する。
「俺が眠る時も…こうして、そばに居てくれる？」
気付けば俺はワタルの手を握っていた。
「ああ、俺の存在が夢じゃないって安心させてあげるよ」
久しぶりに安心して眠れる、そんな気がした。
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琥珀 - はい！！絶対に読みます！！ってゆうか、読んでます(笑) (2015年5月6日 23時) (
レス) id: 81fa3df666 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 琥珀さん» コメント、ありがとうございます！楽しみにしてくださって、本当に嬉しいです。頑張りますので、引き続き読んでくださったら嬉しいです！ (2015年5月6日 15時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 頑張ってください！！続き、楽しみにしてます！！ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 652e9fb3ab (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 海樹さん» 此方にもコメントありがとうございます！凄く励みになります。ゆっくりになるとは思いますが、更新頑張りますので、これからも読んでいただけたら嬉しいです^ ^ (2015年4月18日 19時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 少ししか読んでないのに、文章がスーと頭に入ってきて自然とイメージを膨らませてくれました！ 文章がとても綺麗で、芯がありながらも優しい雰囲気を感じました☆ 更新楽しみにしています(*^^*) (2015年4月18日 19時) (レス) id: 8dd0998254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2015年4月18日 13時
