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「此処から離れられない、それは即ち生まれ変わる事が出来ず、永久的に幽霊として彷徨う事になる。俺達死神はそれを防ぎ、正しい道へと導くのが役目なんだ」
「…死、神…」
まるで他人事のように呟いた言葉。やっぱり俺は近いうちに死ぬんだと、意識の遠くで実感した気がした。
「安心して、俺が太輔の未練を叶えてあげる」
死神ワタルは、そう言って優しい笑顔を俺に向けた。
「叶えるって…どうやって…」
怪訝そうに見る俺の視線を無視してワタルはカプセルを一つ取り出した。
「これを飲んで」
「なんだよ、これ…」
「一時的に太輔の身体を健康体に戻せる薬」
手のひらに乗せられたカプセルは、ごく普通の飲み薬と変わらない見た目。これが本当に、俺の身体を健康体にしてくれると言うんだろうか。疑い半分期待半分で、カプセルを口に含んで飲み込んだ。ダメで元々、もしもこれで元気になれると言うなら、これ以上のチャンスはない。
「いい子だ」
俺が飲み込んだのを確認すると、ワタルが一度指をパチンと鳴らした。その瞬間、心臓が大きく鳴って、身体中の血が熱を帯びたような感じがした。
「これで太輔の体は寿命が来て、俺が魂を回収するまで健康だよ。走っても歌っても大丈夫」
「本当、に…？」
「ああ」
信じられなかった。だけど、歌ってみたくなった。自分の出せる限界の声を出して思いきり。
「きみのえがおで これだけのひとが笑ってるのに ひとりじゃないと きづいてほしいよ いつかそのなみだも 笑顔にかわる日がくるから きみにはずっと わらっていてほしいよ_______...」
大きく息を吸い込んで、俺は目一杯声を出して歌った。
こんなに声を出して歌ったのは久しぶりだった。
「な？大丈夫だろ？」
「ありがとう！これで、もう一度歌が歌える！」
一分一秒でも早く事務所へ行きたかった。俺は病室へ戻り着替えて荷物を纏めると静かに病院を出た。
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琥珀 - はい！！絶対に読みます！！ってゆうか、読んでます(笑) (2015年5月6日 23時) (
レス) id: 81fa3df666 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 琥珀さん» コメント、ありがとうございます！楽しみにしてくださって、本当に嬉しいです。頑張りますので、引き続き読んでくださったら嬉しいです！ (2015年5月6日 15時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 頑張ってください！！続き、楽しみにしてます！！ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 652e9fb3ab (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 海樹さん» 此方にもコメントありがとうございます！凄く励みになります。ゆっくりになるとは思いますが、更新頑張りますので、これからも読んでいただけたら嬉しいです^ ^ (2015年4月18日 19時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 少ししか読んでないのに、文章がスーと頭に入ってきて自然とイメージを膨らませてくれました！ 文章がとても綺麗で、芯がありながらも優しい雰囲気を感じました☆ 更新楽しみにしています(*^^*) (2015年4月18日 19時) (レス) id: 8dd0998254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2015年4月18日 13時
