★第２章『ハンバーグ』八品目 ページ26
「はッ、ばぁ！？」
思い切り声が裏返ってしまったが、
最早そんなの気に止める必要は無い。
正にこれがタイムリーというものか。
「ハンバーグが食べてみたいんです」だと？
電話越しに「太宰幹部…やっぱりこれは…」なんて抑えた声が聞こえてくる。
可愛いかよおい。
思わず出来上がりそうだったハンバーグをまたもや粉砕しそうになったじゃねェか。
あの青鯖が云わせた事だから、
如何せ下らない事なのだろうと内心思っていたが、真逆そんな神のお言葉が降ってくるとは。
「も、……勿論だぜ、A…。
今すぐ作ってきてやるから、っ楽しみにしとけよ」
なるべく落ち着いた大人の声で。
俺はデキる上司。
料理が出来て格好良い上司。
ひたすら心の中で繰り返しながら、そう応えた。
少し息が荒くなってしまったが、大丈夫だ。多分。
「…ほ、本当ですか…！？」
「お、おう。とびきり美味ェの作ってやるよ。」
……嗚呼、嬉しそうなAの声だ。
「良かったじゃあないか、A」という雑音が
聞こえてきたが気にしないでいこう。
そうこうしているうちに、ハンバーグのタネは完成していて、後はじっくりと焼いていくのみだ。
……今から俺の家に来ないか、とか、
云った方が良いのか…？
…ごほん。
青鯖が云わせた事とはいえハンバーグを食べたいという欲求を直ぐに満たしてあげる事で料理スキルも高く良い男だと認識して貰えるのではないかあわよくば「中原さん、美味しいです…っ」の笑顔を貰えるのではないかよし家に呼ぶか否でもグイグイ行き過ぎかもしれねェな此処は矢張り日を改めて………
「ありがとうございます、中原さん…！
私、楽しみにしてますね…。」
__________楽しみにしてますね、？
「…っ、A！
いっ、今から時間…あ、あるなら、
俺の家に来てハンバーグ食って行けよ！」
口から吹き出るように言葉が出た。
ぐるぐると回っていた思考はAの言葉により、
一瞬で吹き飛ばされた。
だってなァ。
_______考えてもみろよ。
Aに、楽しみにしてます、なんて云われたら。
「…今直ぐ、会いたくなるじゃねェか………」
「な、中原さん…？」
「うおっ！？……わ、悪ィ…。
で、如何だ？こ、来れそうか…？」
……無意識に出ちまった今の言葉、
き、聞こえてないよな…？
……
更新が遅れてしまい、申し訳ありません…！
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ぬぬぺ(プロフ) - 最高に好きです…。永遠と更新待っております。 (2021年5月9日 11時) (
レス) id: 9b882da59b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - はぁ、もう可愛いが止まらない (2020年2月17日 14時) (レス) id: b371464530 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - おもいびとのために奮闘する幹部が可愛すぎて終始ニヤニヤしておりました。合作なのですね！更新、こっそり楽しみにしております。 (2018年9月7日 20時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
こくだか(プロフ) - めっちゃ面白いです！文才素晴らしい！実際の文豪のネタが入ってるのが嬉しいです。 (2018年5月7日 23時) (レス) id: c98d2abbd5 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - 嘘の鏡さん» 何かさーせん！です！ (2018年3月28日 20時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よっしー３号とピロウ
x他1人 | 作者ホームページ：http://agpdumtmjahmtd
作成日時：2017年7月17日 0時
