★番外編1.キッチンの掃除 ページ18
「えへ、へへぇ……ぐふ」
夜も更けつつ、「美味しいチャーハン、ご馳走様でした」と微笑んだAは自宅へと戻って行った。
少し寂しい気もしたが、彼女の「美味しい」を思い出せば、そんな気は
お花畑に居る少女の様な足取りで、
至高のチャーハンを生み出してくれたキッチンへと向かい____
「………きたなっ」
______想像通りの汚さに緩んだ口元が締まった。
・
・
此処で登場、ご存知すまほ様。
あれ程の死闘を繰り広げ、
キッチンが清潔なまま保たれているわけがない。
しつこい油汚れに、一気に現実に引き戻された気分だ。
……マァ、至高のチャーハンを作り上げた俺が、
此処でめげる筈が無い。
「ん…、汚れを落とすには汚れを緩めるのか…?
熱湯+洗剤での浸け置き、か…」
如何やら、この油汚れという輩は酸性性質らしい。
……つまり
「アルカリ性の洗剤を使うって事か…!」
某名探偵の丸メガネ少年になった心地だ。
気分良さげに鼻歌を歌いながら、
洗剤とお湯を混ぜ合わせた液体の中にフライパン等を投入し___
「あッッちィィィ!?」
デジャブを感じた今日この頃。
・
赤い人差し指と中指を冷やしながら、
油汚れwith調理器具らを、浸け置きする事数分。
すまほ様を横目で見てみれば、
「重曹」という文字が所々に記されていた。
「……重曹、って…なんだ??」
スーパーで見た事があるような、無いような。
掌にちょこりと置いてある小さな箱に目を凝らす。
之が本当に油汚れに使えるのか…?
試しに、浸け置きしておいたフライパンに、
コップ一杯に対し、二割程度の重曹を振りかける。
そしてそのまま……
「煮込む!?真逆の煮込み重曹かよ…!?」
すまほ様の仰せのままに。
ぐつぐつと煮込むこと十分。
冷ました処で、こびりついた焦げを割り箸で、
ちょん、と軽くつついてみる。
「……!?え、嘘だろ、うぉぉぉ凄ェ!?」
………みるみるうちに、
油汚れや焦げが取れていくではありませんか。
_______その後。
如何やら重曹は、キッチンの勇者だったようだ。
コンロの油汚れは、重曹を振りかけ、
歯ブラシで擦るだけで面白いくらいに取れていった。
「……よっしゃ!」
きらり、と音がつきそうなほど綺麗になった
キッチンを見つめ、俺は一人、ガッツポーズをするのだった。
☆第2章『ハンバーグ』一品目→←☆第1章『チャーハン』十六品目
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ぬぬぺ(プロフ) - 最高に好きです…。永遠と更新待っております。 (2021年5月9日 11時) (レス) id: 9b882da59b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - はぁ、もう可愛いが止まらない (2020年2月17日 14時) (レス) id: b371464530 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - おもいびとのために奮闘する幹部が可愛すぎて終始ニヤニヤしておりました。合作なのですね!更新、こっそり楽しみにしております。 (2018年9月7日 20時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
こくだか(プロフ) - めっちゃ面白いです!文才素晴らしい!実際の文豪のネタが入ってるのが嬉しいです。 (2018年5月7日 23時) (レス) id: c98d2abbd5 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - 嘘の鏡さん» 何かさーせん!です! (2018年3月28日 20時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よっしー3号とピロウ x他1人 | 作者ホームページ:http://agpdumtmjahmtd
作成日時:2017年7月17日 0時