★第１章『チャーハン』十三品目 ページ14
「……で、何用ですか」
「あ"ぁぁ……ぐぅだぁがぁわぁぁ…」
「…は？」
…最早恒例になってきた気がする。
仕事の疲れ…否、主に此処最近の精神的な疲れを
癒すため、俺は度々芥川と飲みに行っている。
俺はその都度、芥川に駄々をこねる子供のように
して泣きつくのだが、いちいち面倒くさそうに眉を歪められては、更に心が痛むだけだ。
…でも、何故か芥川と飲みたかった。
それは彼の強さ故か、知る術はないのだが。
「……や、そんな事は如何でも良いンだよ」
「あ、解決した様ですね。それなら僕は之で…」
「おいおいおいおいまてまてまて無花果」
酒をまともに飲まぬ侭、芥川がお洒落な椅子から
がたりと音を立てて立ち上がった。
咄嗟に滑舌すごいマンになり、
芥川の腕をがしりと掴んだ。うわ此奴ほっそ。
小枝程の…否、それは云い過ぎか。
……しめじ程の…、否、それは不味いな。
…………よし。
「手前はアスパラガスだ芥川」
「……………………本当に帰ってよろしいですか」
アスパラガス並に腕が細い芥川が、
俺に絶望したような顔をする。
マァマァ、そんな顔するなよ。
「ゆっくり座って話せうぜェ…な、あすぱがわ？」
「……………中原さん、酔ってますね。
…………面倒くさいな」
芥川は嫌そうに顔をしかめた後、
グラスの中の氷を一つ口に含んだ。
・
「だっはぁぁ…、あぁ、如何するよぉ…！！
照れ隠し…ひっく、てれ、かくしィィ…？」
「そんにゃわけねーだろぉが莫迦ぁ…！
っく、ふふふ…、愛だぞ愛ぃ…？あすぱがわぁ？」
中原さんは完全にいってしまわれた。
これでもう何杯目か分からないが、
とにかく僕をアスパラガスと間違える所から
もう色々と終わっているのであろう。
「………一応録っておくか」
ぴっ、と小さな音が鳴り、
電子機器が中原さんの蕩けた声を記録していく。
之で僕と飲むのをやめてはくれるだろうか…
・
「芥川ぁぁぁ…！
今度こそは聞いてもらうぜェ…！」
「」
結果。
僕は翌日も、翌々日も。翌々日以降も。
中原さんに"あすぱがわ"にされた。
……否、之はもう、
僕から日中に行くしか法が無いのではないか。
「……中原さん」
「……あ？芥川？如何した？」
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ぬぬぺ(プロフ) - 最高に好きです…。永遠と更新待っております。 (2021年5月9日 11時) (
レス) id: 9b882da59b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - はぁ、もう可愛いが止まらない (2020年2月17日 14時) (レス) id: b371464530 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - おもいびとのために奮闘する幹部が可愛すぎて終始ニヤニヤしておりました。合作なのですね！更新、こっそり楽しみにしております。 (2018年9月7日 20時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
こくだか(プロフ) - めっちゃ面白いです！文才素晴らしい！実際の文豪のネタが入ってるのが嬉しいです。 (2018年5月7日 23時) (レス) id: c98d2abbd5 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - 嘘の鏡さん» 何かさーせん！です！ (2018年3月28日 20時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よっしー３号とピロウ
x他1人 | 作者ホームページ：http://agpdumtmjahmtd
作成日時：2017年7月17日 0時
