☆序章 気になる彼奴のタイプ ページ1
俺は中原中也。ポートマフィアの五大幹部の一有力候補である。
そんな俺は今、作戦参謀の海風Aに片想いをしているのだが……あくる日、事件が起こった。
その日は、俺と、五大幹部の尾崎紅葉もとい姐さんと、世界一嫌いな相棒で此方も五大幹部、太宰治に我等が首領、森鴎外。そしてAの5人で行った、とある組織を潰す為の会議が有った。
会議は思いの外早く終わり、帰ろうとした俺を引き留めるかの如く、何故か始まった談笑タイムに拍車が掛かった時だった。
「そうじゃ、Aには異性のタイプは有るのかえ? 」
姐さんが驚くべき言葉を発したのだ。
Aに片想いをしている俺は勿論、首領や太宰も飲んでいた珈琲を吹いた。
「ばっ……あ、姐さん!? 何を云って……」
「そうじゃな……優しい、だとか、いけめん、だとか。こう……何か有るじゃろ」
聞けし。心の中で盛大に叫んだ。
姐さんが機関銃の様に喋る。その合間を縫って、Aが漸く口を開いた。
「ま……まぁ、一応有りますよ」
「有るのかい!? 」
「有んのかよ!? 」
「有るんだ!? 」
「矢張りか」
皆の声が揃って部屋に木霊する。
それに少し驚きつつも、Aは続ける。
「私如きが烏滸がましいですがね……もう、見た目云々よりも中身重視ですね。料理に掃除やらの家事が出来て、性格が優しい人が良いです」
家事が出来て、優しい……?
Aのタイプを暫く反芻した。そして、落胆した。
俺には出来ねぇ事ばかりじゃねぇか……
洗濯やらは難無くこなせる。しかし、掃除に料理は専門外だ。
掃除は偶にする位だし、料理何て以ての外。毎回冷凍食品か外食で済ませてしまう。
……性格は……変えられねぇから捨てるか。
「ほう……では、A君は、それにぴったり合致する者であれば良いのかね? 」
首領が聞いた。
「はい。ルックスも大切ですけどね」
Aは苦笑しながら応えた。
それにしっかり反応したのは、何を隠そう俺である。
_____じゃあ、今から頑張って家事スキルを上げればイケるのでは?
遅い事は決して無いだろう。じゃあ、試してみる価値は多いに有る。
何時までも片想いはもう飽きた。
ならば、やってみよう。
こうして俺の、
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ぬぬぺ(プロフ) - 最高に好きです…。永遠と更新待っております。 (2021年5月9日 11時) (レス) id: 9b882da59b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - はぁ、もう可愛いが止まらない (2020年2月17日 14時) (レス) id: b371464530 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - おもいびとのために奮闘する幹部が可愛すぎて終始ニヤニヤしておりました。合作なのですね!更新、こっそり楽しみにしております。 (2018年9月7日 20時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
こくだか(プロフ) - めっちゃ面白いです!文才素晴らしい!実際の文豪のネタが入ってるのが嬉しいです。 (2018年5月7日 23時) (レス) id: c98d2abbd5 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - 嘘の鏡さん» 何かさーせん!です! (2018年3月28日 20時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よっしー3号とピロウ x他1人 | 作者ホームページ:http://agpdumtmjahmtd
作成日時:2017年7月17日 0時