弐拾参話 ページ26
『…迷っている?』
「いいや…確かに…迷っている…一体、何に迷っているのだ?」
『だから、私は迷ってなんかいない!無着滅殺!』
今度は一撃目すら届かず、防がれた。
ふと、その時の刀身が黄緑色に染まっていることに気が付いた。
黄緑色_即ち、焦り
焦り?何を焦るのだろうか?
私は何も焦っていないし、迷ってもいない!
弾かれた刀を握り返し、構え直す。
「今のお前に…あの方の為に…仕えることができるか?」
その言葉にハッとした。
私はあの少年に感化されていた。
人間は良い奴だと思っていた。
無惨様に仕える身としてなんということを…!
「気付いた…ようだな…」
『うん。気付かされたよ』
やはり、私は弱い。
甘やかされ、裏切られるのは何度もあったことなのに。それでも、期待してしまう私はなんて愚かだろうか。
『参の型 決念の斬!』
橙色に染まった刀を横に大きく振り、斬撃を放つ。
「…っ!」
刀身が見えない速度で攻撃を受け流した。
「…決まった…ようだな」
口角を上げた黒死牟の頬には、微かに傷がついていた。
届いたのだ、私の思いが。
『…黒死牟。私、"ケジメをつけてくる"よ』
「今からか?」
『今じゃないと駄目。決めた意味がないから』
刀を鞘に収め、頭を下げた後、部屋の外へと出る。
『黒死牟』
襖に手をかける前に、黒死牟に振り返る。
「何だ?」
『ありがとう』
「…あぁ」
彼の返事を聞くと、部屋を出た。
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美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 22時) (レス) @page33 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 面白いです! (2019年11月6日 7時) (レス) id: f675202b80 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - この後、夢主ちゃんは鬼側即ち鬼殺隊の敵になるという事・・・。無限列車で煉獄は上弦の参に致命傷を負わされ、最後は夢主ちゃんに止めを刺されるシーン見たいですね。勿論柱達にも非業の最後もです。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
シレア(プロフ) - 結婚しましょ((殴 あまりにも好きすぎて本音が出ちゃいました・・・け、結婚を前提にお付き合いしましょう!うん!それが良いです!(ダメです)語彙力が無いのでこのくらいしか言えないんですけど・・・作品鬼がかってて大好き過ぎるんです!頑張って下さい! (2019年9月23日 14時) (レス) id: 89e5ec03ad (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 夏目(プロフ) - 大好きです((( (2019年9月22日 23時) (レス) id: d58669ce2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユラン | 作成日時:2019年9月21日 18時