弍拾弍話 ページ25
無限城に戻り、私は廊下に座り込み、ぼんやりと考え事をしていた。
竈門 炭治郎…
私を理解し、心を動かしてくれた人間は初めてだった。とても心が温まる感情になる。
でも、あの子は人間、鬼殺隊。あの子に情を移してはいけない。
分かってる。でも__
「何を…している?」
顔を見上げると、黒死牟がいた。
『黒死牟…』
「…来い。稽古の…相手に…なろう…」
無表情な顔で告げると、歩き始めた。私は立ち上がり、その後を追いかけた。
猗窩座と戦った部屋よりもまた広い部屋に来た。
「刀を…抜け。遠慮は…いらん」
黒死牟が刀を抜かず、こちらの様子を伺っていた。私が刀を抜こうとした時だった。
まずい…
透明だった刀は"黒く濁った紫色"に変色していた。
この色で相性のいい技はない。
「…何を…している…?」
『いえ、なんでも』
感情を落ち着かせるため、一度呼吸を整える。
しかし、刀の色は変わらなかった。
「では…始めろ」
黒死牟のこの言葉を合図に、私は攻撃を仕掛ける。
『情の呼吸 壱の型 無着滅殺』
この技の特徴は、たった数秒の間に相手に何十も突く攻撃。そして、戦う理由すらなんとも思わない時_透明な色である場合が一番攻撃力が高いのだ。
「…こんな…ものか?」
『…くっ!?』
刀を手にかける様子は見えたが、目にも止まらぬ速さで抜かれ、刀身が全く見えなかった。
相手が上弦の壱であるからなのか、今の刀と技の相性が悪かったのか。全ての攻撃をはじかれ、かすり傷すら付けれなかった。
『…伍の型 激昴の咆哮』
技の中で二番目に呼吸を多く吸わなくてはいけない技。その呼吸法はとても荒く、血流を速くしなければ出せない。
「…」
『なっ!?』
これもまた一瞬のうちに防がれた。この呼吸の中で2番目に強い技だったのに。
すると、黒死牟が口を開く。
「猗窩座から聞いた…それとは違うな…思っていたより…弱い…弱すぎる…そして、お前のその刀…
迷っているな?」
330人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 22時) (レス) @page33 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 面白いです! (2019年11月6日 7時) (レス) id: f675202b80 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - この後、夢主ちゃんは鬼側即ち鬼殺隊の敵になるという事・・・。無限列車で煉獄は上弦の参に致命傷を負わされ、最後は夢主ちゃんに止めを刺されるシーン見たいですね。勿論柱達にも非業の最後もです。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
シレア(プロフ) - 結婚しましょ((殴 あまりにも好きすぎて本音が出ちゃいました・・・け、結婚を前提にお付き合いしましょう!うん!それが良いです!(ダメです)語彙力が無いのでこのくらいしか言えないんですけど・・・作品鬼がかってて大好き過ぎるんです!頑張って下さい! (2019年9月23日 14時) (レス) id: 89e5ec03ad (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 夏目(プロフ) - 大好きです((( (2019年9月22日 23時) (レス) id: d58669ce2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユラン | 作成日時:2019年9月21日 18時