28 貴方は殺さない ページ29
太「其処まで云わなくても良いじゃないか。私が敦くんを探偵社まで連れて行くよ」
『ありがとうございます。国木田さんへの説明もお願いしますね』
そう云うとガチャ、と銃の狙いを定めた音が聞こえた
九「生きて帰すと思っているのか」
『花帆さんは私達を殺さない。違う?』
私は殺せない、ではなく殺さないを選んで云う。花帆さんは私の云いたいことを分かっているはずだ
芥「ククク。止めろ九十九、お前では勝てぬ。太宰さん、今回は退きましょう。しかし、人虎と娘の身柄は必ず僕等ポートマフィアが頂く」
太「何で?」
芥「その二人には闇市で懸賞金が懸かっている。人虎には70億、娘には150億だ」
『億・・・・・・ん?敦さんの倍!?』
あ、花帆さんからの視線が痛い。口に出てた?
芥「探偵社にはいずれまた伺います。ポートマフィアは必ずその70億と150億を奪う」
太「では、探偵社と戦争かい。やってみ給えよ、やれるものなら」
かっこいい。只々かっこいい。そう思っていると花帆さんが例の台詞を云い始めた
九「零細企業如きが!我々はこの街の暗部その物。この街の政治、経済の悉くに根を張る。我々に逆らって生き残った者など居ないのだぞ!」
花帆さん、何時覚えたの?その台詞。それに目の前に居るんだよ、元最年少幹部が
太「知ってるよ、そのくらい」
芥「然り。他の誰よりも貴方はそれを承知している。元ポートマフィアの太宰さん」
そう云うと芥川さんはくるりと踵を返した。花帆さんは慌ててついて行く
『まさか芥川さんと面識があるとは思いませんでしたよ』
太「知らなかったのかい?」
『白虎と羅生門と太宰さんしか見えなかったので』
これで伝わるのかな?太宰さんが無効化してる時のことなんだけど
太「そう云えばあの子は何処にいるんだい?」
『あの子・・・嗚呼、レイちゃんのことですか。ずっといますよ、此処に』
そう云って私は壁際まで行き、異能を解除する
太「まさか姿を隠していたとはね」
『一人でも生き残れば何が起きたのか分かりますから』
太「それだけとは思えないけどね」
流石に怪しまれてるみたい。レイちゃんの異能のことはまだ誰にも知られてないはずだけどな
『何もありませんよ。早く戻らないと国木田さんに怒られますよ』
そう云いながら私は敦さんを背負う
太「Aちゃん力持ちなんだね」
『そうですか?』
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作者名:アンズ | 作成日時:2022年9月16日 20時