モノクロ３＜ARS＞ (ページ44)

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１１４【O side】ページ44

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もう一度、Aをぎゅって抱きしめる

今まで無視してごめんね、A

嫉妬に狂う俺を許して

雅「先生ってどんな人？」

「…なんかね、智くんに似てるのちょっとだけ」

そう言って、俺の指をAが辿る

複雑すぎる…俺に似てるかなアイツ

それより、つつ…って這う指に電撃が走るみたいにドキドキが止まんない

「んー…たとえば舞踏会があるでしょ？」

俺の指を握ったり離したり

俺、ペース完全に狂わされてる

「嵐さんたちは、舞踏会の主役の王子様。みんなの王子様。私はそのお客さん」

ぽつぽつと話し始めるA

「５人には、お金持ちで綺麗な人がパートナーで…私たちはそれを祝福するの、胸が痛くても」

雅「そーなの？」

「でも、拍手の中で私の手を握ったのは、私だけの王子様。そして、舞踏会を抜け出して、結婚してください、ってプロポーズ」

翔「結婚するの？」

「だって、すき、って言ってくれる私だけの王子様だよ？５人は、私以外にたくさんのファンがいるから私なんて見てくれない」

…話の内容がよくわかんねぇ

すかさずニノが身を乗り出す

和「そのみんなの王子様が、Aにプロポーズしたらどうすんの？」

「んー…領がだめって言う」

領…って、先生の名前？

Aが俺の指をまとめて不安みたいにぎゅって握った

和「Aちゃんのこと強引に奪ったら？」

「領がそうさせないよ？」

和「…キスしちゃったら、その王子はショックじゃない？」

作詞とかしてるからか、歌うようにすらすらAと話してるニノは真剣

「だって…皆、女の子は私以外にもいるくせに」

和「あんた、言ってくれるね(笑)…もしかしたら、キスで呪いがとけるかも」

「呪い…？」

和「お前だけの王子の正体は悪い男で、俺がほんとの王子様っていうハッピーエンドはどう？」

んふふって笑うニノに、Aは完敗したみたいで

尖らせたくちびるを俺の指に押しつけ…ってこれ以上やめろって//

「でも、現実は…、私がみんなのこと好きでも叶わないもん…」

支離滅裂な言葉のあと、彼女は静かになった…寝た？

おい、寝逃げするなよ…(笑)

つーか

…好きでもって？

俺らのこと、好きなの？

俺らの誰？

ほんのり桃色の頬を輪郭にそってなぞれば愛しさが溢れてくる

あぁ、泣きそう、俺

Aが好きすぎて、死にそうだ

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